第4章 迷いと決断
*のどかside
熱を出してしまった。
1人で住んでいると
これがやっかいだ。
体がどんなにだるくても、
自分でご飯作って
自分で冷えピタを
変えなくちゃならない。
わたしは、テレビをつける。
「あっ.......」
見覚えのある、
ぱっちり開いたまんまるな瞳。
きれいに通った鼻筋。
ふわふわな髪の毛。
二宮和也。
私はとっさに
テレビの電源を切った。
ここのところ、
いつもこうなってしまった。
あんなに大好きだったのに
見れなくなってしまった。
本物の二宮和也に会って、
本当のひとりの男としての
二宮和也を見て、
私はどうかしてしまった。
あまりにも、すてきだった。
忘れられなくて、苦しくて。
テレビ越しに笑いかけてくる
彼を見ていると
今までだったら
嬉しくて飛び上がってたのに。
悲しくなってしまう。
彼との距離はあまりにも遠い。
二宮くんは、
私に会ったことなんて
きっともう忘れてる。
元気に走り回って
元気に踊って
元気にしゃべって
元気に歌って。
やっぱり、遠かった。
29さいの二宮和也という
スーパーアイドルには
やっぱり距離がありすぎる。
でも抱きしめられた感触は
いつになっても消えてくれない。
私はひとりで、
涙を流しながらベットに入る。