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それはやっぱり君でした。

第3章 交わっては、いけない。



彼女は俺に抱きしめられたことに
すぐ気づいたみたいで。


顔をあげようとした彼女を
俺はもっと強く抱きしめた。



子供だから体温高いと思ったのに
彼女の体はびっくりするくらい
冷たくて。



2人でしゃがみこんでハグって...
俺らなんなの?(笑)



でも彼女は俺の背中に
手を回そうとはしなかった。


そんなのももどかしくて
俺は彼女の肩に顔をうずめる。


肩にかかった髪の毛からは
やっぱりシャンプーの匂いがした。




『..みや....く....』


彼女は泣きながら
俺の名前を呼ぶ。


やめろって....
そんな言い方しないでくださいよ。


俺は彼女から体を離す。



「部屋、入りましょう?
....のどかちゃん?」



彼女は顔をあげて
びっくりした顔をした。



なんか名前で呼ぶのって
照れくさいな(笑)


でも何度でも
呼びたいと思ってしまう。



今まで付き合って来たコは
名前呼ぶのなんて
普通のことだった。

名前で呼んだほうが喜ぶし
みたいな。


でも今は俺さえも
名前で呼ぶのが嬉しく感じる。



目を見開いたまま
立ち上がらない彼女に
俺は手を差し出す。


「ん。」



その手を見て
照れくさそうに
ニコって笑ったのを
俺は見逃さなかった。



すげーかわいかったから。






彼女が俺の手を取る。


目があったから
彼女に笑いかけたら
目をそらされる。




俺はどうしようもなく
いたずらしたくなって。


「あっそ?
なら、いいですけど?(笑)」



俺は手を離す。




『え、ちょ、えーと....』


すっげえ慌てた顔して
俺から離された行き場のない手を
見つめたり
俺を困ったように見たり。



「ふふ(笑)嘘ですよ。」


俺のほうが耐えきれなくなって
彼女の手を握る。









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