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それはやっぱり君でした。

第3章 交わっては、いけない。



*和也side



俺はすっかり
黙って泣きそうになっている
彼女を残し、彼女の家から出た。



このまま彼女の
きれいな瞳を見ていたら、
ほんとにどうにか
なってしまいそうで。


この儚い女のコのこと、
俺はどう思っているのかなんて、
考えたくもなかった。


高校生ですよ?

なんで、こんなに....




急に強い風がふく。

この風でこの気持ちまで
飛ばしてくれたらいいのに。






うしろのほうで、
扉を開く音がして
俺は反射的に物陰に身を隠す。


長年の経験が、
体に染み付いていた。




うしろのほうで、
小さくつぶやく声がする。





『二宮くん....
やだ...行かないでっ....』



それからその子は
小さく泣き出す。




『二宮くんっ....』




その声が誰の声かなんて
考えもしないまま


気づいたら俺はもと来た道を
戻っていた。



いつもなら絶対しないのに、
こんなこと。


泣いてる女みたところで
めんどくさそうだから
関わりたくないですし。



ただ、俺は彼女を守りたかった。






さっき俺が出てきたドアの前に
大人と子どもの狭間の女のコが
しゃがみこんで泣いてた。




ちっちぇーな....










俺は彼女をそっと抱きしめた。




大人の彼女じゃなくて
子どもの彼女なら
抱きしめてもいいですよね?









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