• テキストサイズ

それはやっぱり君でした。

第3章 交わっては、いけない。




彼女の部屋は、
とてもキレイに整頓されていた。


家具は必要最低限と
いった感じだけど
その少ない家具から
女のコらしさを感じる。



つっても
すげーせまい部屋だけど(笑)


俺、大丈夫なの?(笑)





『せ、狭くてごめんなさい。
あの、なに、飲みますか?』


彼女と、
ちゃんと会話するのって
はじめてかな、とかふと思う。



『二宮...さん?』





彼女が顔を覗き込んでくる。


なんですか?

俺のつぼ、知ってるんですか?


それとも、天然?(笑)




「ん、コーヒーがいい」


俺も負けじと笑顔で言う。



したら案の定彼女は顔を赤くして。



そんな照れられたら
やってる本人が
1番恥ずかしいんですけど...




ちっちゃいキッチンに立つ彼女は
ひとりで生きてる
大人の強さと
ひとりで生きていけない
高校生の弱さが混ざってて。


なんか、ほっとけねえんだよな



制服姿の彼女は、俺には眩しい。

触れちゃ、いけない。




コーヒーを持ってきながら
彼女は言う。

『お砂糖...入れますか?』



「ん。俺は
ブラックで飲みますから。」



『へえ...大人ですね(笑)』



「当たり前でしょ、
大人なんだから。」




彼女がふふって笑って俺を見る。


大人。俺は大人なんだ。

少なくともあなたは
俺と同じフィールドに
立っているつもりはない
ってわけですね?



彼女の白い腕を見ていたら、
触れたくなりそうで。


俺は自分の手を
ぎゅっと握りしめた。

/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp