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それはやっぱり君でした。

第3章 交わっては、いけない。


その声は、
なんだか聞き覚えがあって。



男「ああ?なんだ、お前。」


男が私から離れて
その人のほうへ向かう。




体全身の力が抜けて
私は地面に座り込んだ。








助けてくれた人。それは
紛れもなく、二宮和也だった。



『だから、この子の彼氏ですよ。』


彼は平然としながら言う。




男「じゃあ、彼女借りるよ。
これで、いいだろ?」


男がまた私のほうに来て
私を強引に立たせる。


男の肌が、私の肌に
触れるたびに寒気がする。


怖い....助けて....二宮くん.....



言葉にならない思いが
涙となって頬をつたった。





『.....なせよ。』



二宮くんが低い声で何かつぶやく。




男「ああ?」





『離せ。』



こんな顔の二宮くんは
はじめて見た。


こんな怖い顔、するんだ...



『けいさつ、呼びますよ?』



彼は自分のスマホを見せて言う。





男の手が、緩む。

そして勢いよく、
私をアスファルトの地面に
叩きつける。




「いたっ...」




男は舌打ちしながら
後ろに歩いて行った。






痛さと怖さで
涙がとまらない私の横を
二宮くんは通り過ぎていった。



待って。行かないで。










『おい』


後ろで二宮くんの低い声が聞こえる。








がっ!!!



そして、鈍い音。




『今度同じことしたら、
こんなもんじゃすまねーからな』



そして、ばたばたと
焦って走り出す音。







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