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徒然なるままに【文豪ストレイドッグス】

第1章 出逢い


【太宰side】

「え、君接吻初めてなのかい……?」
「……こ、子供の頃に兄とした時以来です……」
「其れは……何か御免ね」

 兄とした時は兄妹の戯れというか何と云うか。もごもごと彼女は呟いた。……兎に角、他人に接吻をされたのは本当に初めての事だと云う。私は驚きを隠さず問うた。

「でも君幾つだったっけ?」
「二十歳です……。笑いたければ笑えば善いじゃないですかもぉ!」

 やけくそになったのか、彼女は勢いよく手で顔を覆う。私は彼女の手を取って出来るだけ優しく微笑んだ。

「笑わないよ。でも意外だなぁ、君はそう云う経験は豊富かと思ってたのだけど」
「……接吻が初めてってだけですもん」

 ぶすっと不服そうにそう答える彼女に、私は愛しさが込み上げた。
 嗚呼、可愛い。接吻だけじゃ足りない。
 私はまた彼女に触れるだけの接吻を落とした。顔を更に真っ赤にさせた彼女をそっと床に寝かせ、其の上に軽く股がった。すると途端に彼女の顔から赤みが消え、感情が一つも読めなくなった。

「わたしを抱きますか?」
「もう止まれそうになくてね。嫌ならそう言ってくれ給えよ」
「嫌な訳じゃ無いですよ。好きにして下さい。痛いのも怖いのも、もう慣れっこですから」

 半ば諦めたように目を閉じる彼女は、とても哀しそうに見えた。

「痛い思いをさせられた経験でもあるのかい?」

 そう問うてみると、彼女はぱちくりと目を開いた。だが直ぐに何も答えずスッと目を逸らす。私はこれ以上は何も話してくれないだろうと観念し、彼女の目尻に軽い接吻を落とした。

「大丈夫だよ。痛くないし、怖い思いもさせないから」

 彼女の耳元にそう囁いて、私は彼女の服をゆっくり暴いた。

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