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徒然なるままに【文豪ストレイドッグス】

第14章 社内会議


「今回の議題は『組合壊滅作戦』だ。現状として、組合構成員の異能は判っていない。その上、我が社の社員がその組合にかどわかされたようだ」

 其れはつまり、この会議に出席していない人物という事である。今居ないのは敦くんと鏡花ちゃん。二人が捕まっているのか、それとも何方か一人なのか。

「全く、面倒事は好きじゃないんだよねェ」

 乱歩さんがあっけらかんと云い放った。そんな云い方は無いだろう、とわたしが云い返そうとする前に潤一郎くんが動いた。

「まぁまぁ、乱歩さん。僕達の仲間は助けたいでしょう?」
「まぁね。だからこの会議に参加してるんだし」

 そこのお菓子取って。乱歩さんは自由に振る舞い、駄菓子をぱくぱくと食べ出した。他の社員達は気にもしていないようだし、乱歩さんに限っては有りらしい。

「じゃあ助け出すとして、如何やって行くんです? 先ず本拠地が何処かも判りませんし」
「それなんだが」

 国木田さんがピッとスクリーンを変えた。画面に映るのはとある地図と点だ。

「どうやら捕まってるのは小僧一人のようでな。空中にいるらしいんだ」
「く、空中?」
「俺が敦に付けた発信機からの情報だ」

 但し、其れも一時間前を境に通信が切れていると言う。だが未だ生きている可能性は高い。

「生きてる可能性が高いって……如何してです?」
「組合の目的は敦だからな。殺してしまっては意味が無い」
「そっか……」
「でも国木田? その機体、今何処にあるかは判らないンだろう?」

 与謝野さんがそう尋ねた。国木田さんが頷く。

「乗り込むにしろ何にしろ、居場所が掴めないと無理じゃないのかい?」
「ねェ一寸待ってよ、まさか国木田、泉も行かせるつもりなの?」

 乱歩さんが怪訝そうに問う。わたしは行くつもりで乗り込む話を進めていたのだが。すると乱歩さんはわたしが思いもしなかった尤もな点を指摘した。

「彼女はこの前組合と会った時には居なかったよね? もし向こうの長に異能を見られたら『珍しい』って云って連れてかれちゃうかもよ?」
「そ、それもそうですね……」

乱歩さんの言葉に、国木田さんが眉根を寄せる。

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