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【最遊記】金色の向日葵

第13章 告白


「ただ、雅と逢った。初めは単に悟空と同じようなのが1人増えたと思っただけだった。言っても聞かねぇし、やりたい放題だしな。でも、いつからだろうな、気になる様になった。こんな感情何てばからしいとさえ思った。でも、な……あの悟空に雅を取られるかも知れない…そう思ったら……・・・・なんだ、こう…」

そう一生懸命に話す三蔵。いつもでは考えられない程どこか落ち着かず、躊躇っているようにすら感じた。

「つまりは…ッッ」

そう言掛けた三蔵の口を両手で雅は塞いだ。そのまま今度は雅がポツポツと話し出す。

「嫌われてないなら…それで良かった。……でも、私は足手まといになる…李厘ちゃんの時もそうだった…好きな人の迷惑にはなりたくない…」
「……」

そと口元を覆う雅の手を取る三蔵。

「……雅」
「もぉ…無理だよ…」
「雅?」
「三蔵の事…好きなんだもん…どうしていいか解らない位…三蔵の傍に居たいんだもん…」
「…雅…ッッ」

グッと再度引き寄せると雅の唇は三蔵のそれで塞がれた。

「ン…ッッ」

ゆっくりと離れると、三蔵は雅をじっと見つめたまま、そと囁いた。

「…好きだ」
「さ…ん蔵?」
「勝手に自己完結してんじゃねぇよ。終わらせてんな」
「…でも、私居て邪魔じゃない?」
「あいにく。八戒に回復と攻撃両立させるにはこれから先負担になってくる。お前が…雅が居れば多少なりとも八戒の負担は減るだろうしな。その点は邪魔にならねぇ。」
「でもまた、私が居てこの間みたいに足止め食ったら?」
「そんな事にならねぇように、守ってやるよ。」
「でも…」
「あーあ、うるせぇ。雅はどうしてぇんだ」
「私は…」

そう聞かれた雅はゆっくりと話出す。

「私は…三蔵と居たい…」
「なら話は決まりだ。」
「…三蔵…?」
「連れてってやるよ、…仕方ねぇから」

そう言うとふわりと口元は緩み、雅の頬を撫でる手は頭を撫でた。

「だからもう…泣くんじゃねぇよ」
「…ッッないて…無い…」
「クッ」

小さく笑いながらも三蔵に巻き付いた雅をそっとなだめるように抱き締め返していた…



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