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【最遊記】金色の向日葵

第17章 意地悪な唇


そんな時、少し遠くの方に、しかししっかりと目視できるほどの位置に次の町が見えた。

「やっと次の街かぁ!!!!」
「腹減ったなぁ、なぁ三蔵!!」
「でた、悟空の『腹減った!!』が」
「うるせぇ…」
「てか次の所ではいいお姉チャン居るかな?」
「どっちもどっちの様な気がするけど…」
「なぁ三蔵!!」
「うるせぇ…」
「腹減ったのなんて大した事ねぇだろうが、」
「悟浄の姉チャンだって大した事ねぇだろ?!」
「うるせぇって言ってんだろうが!!」

ガゥンッッ!!

空を切り裂く銃声がまたも白竜の上に響き渡った。

「ほらぁ、三蔵又怒っちゃいますからね?」
「またって…いつもの事じゃん?」
「だったら、いつも以上にたまにはゆっくりと落ち着かせてあげないと。年なんですから」
「おじいちゃんかぁ…」

にやにやと笑う悟浄と悟空をみて、三蔵はくるりと体を反転させると銃口をぴたりと額に当てた。

「脳みそブチ撒かれてぇのか、貴様は」
「…いえ…そんな事は…」
「ごめんなさい…ぃぃ」

昇霊銃を向けられると悟空も悟浄も一気に大人しくなる。その日の夕方には街に着いた一行。取りあえずは食事をしようと食堂街に赴いた一行の鼻をとにかくおいしそうな匂いでこちらこちらと誘いをかけられる。

「うっわぁぁ!!うまそう!!」
「本当ですねぇ、どこもかしこも本当においしそうな匂いがします。」
「なぁなぁ!!どこで食う?」
「どこでもいい」
「雅は?何食いたい?」
「んー、温かい物!!」
「きっとなんでも温かいんじゃねぇのか」
「三蔵!!そういう事言うなよな?!」
「そうだぞ?嫌われちゃうよ?」
「何か言ったか」
「いえ……」
「あ!!あそこのおいしそう!!」
「どうせならゆっくりと座って食べられるところがイイですねぇ」

そう言う言葉を聞きながらも悟空と雅は目につくものを色々と見ていた。そうしてようやく決めた店に入る。

「から揚げおいしそう!!」
「確かに!!あ!!これも!!」
「何でもいいからとにかく黙ってろ」
「まぁまぁ、三蔵?あなたは雅以外は食う気ないみたいな空気醸し出すのやめてください?」
「そんな事ある訳ねぇだろ」
「そうですか?さっきから雅の事やたらに目で追ってますけど?」

図星を付かれた三蔵はチッと舌打ちをしてふいっと顔を背けた。
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