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【最遊記】金色の向日葵

第14章 涙の痕


一方その頃の悟空達。


「なぁ、三蔵たち…遅くねぇ?」
「確かにそうですねぇ…」
「ちょっくら探しにでも行くかぁ?」
「…ダメだ!八戒!俺もう我慢できない!!」

そういって悟空は部屋を飛び出すように外へと向かった。それを見送った悟浄と八戒はため息交じりに話し出した。

「…それにしても、悟空があそこまで三蔵に言うとはなぁ」
「それだけ悟空も雅の事好きだって事何でしょう」
「でも、まさかあのサルと三蔵サマの女の趣味が一緒だったとはなぁ…」
「そこは僕も驚きです。でも、本来は好みなんてあってないようなものですからね…どれだけその人柄に惹かれるか。…其れだけなんでしょうし」
「まぁ、かく言う俺も雅の事は好きだけど…人間としてしか好きがない…」
「それは同感な気もしますが…雅との接点が意外と多いと堕とされるんでしょうね」

そう笑いながらも八戒はよいしょと腰を上げた。

「八戒も行くのか?」
「いえ、ぼくはこの宿内で済みますよ。フロントのお姉さんにに聞けば大体の予想はつくでしょうし。」

そう話して部屋を出た。ロビーまで降りてくる八戒は迷う事なくフロントに立ち寄る。

「あのぅ、すみません」
「はい?」
「こう、目付きの悪い僕の連れ、やっぱり出て行きましたか?」
「お連れ様でしたらお帰りになられてますよ?」
「…え?三蔵が、ですか?」
「はい、先ほど。」
「僕たちの部屋に戻ってきてないのですが…この中に喫煙所ってありますか?」
「えぇ、ですが…ご一緒に戻られた女性の方とお部屋にご案内しておりますが…」

それを聞いた八戒はすぐにぴんと察した。

「それって僕たちと一緒に来た方ですか?」
「顔や雰囲気は同じに見えましたが…髪の長さがかなり違っておりましたので何とも…」

そう言われたのを聞いてにこりと笑い、八戒は『ありがとう』と返してそのまま悟浄の居る部屋に戻った。

「お、お帰り。早かったな」
「えぇ、まぁ」
「どうした?」
「三蔵、もうすでに帰ってきているみたいです。」
「はぁ?!でもここに戻ってきてねぇぞ?」
「フロントの方の話では、どうやら雅も一緒に帰ってきたと。」
「それで?」
「別室にいるみたいですが…」

それを聞いた悟浄は、はぁぁ…と肩を落とした。
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