第13章 告白
~ 三蔵 side ~
何なんだ…八戒といい…悟空までも…
ぐちゃりとした感情を抱きながらも、三蔵は宿を後にして雅の後を追うかのように歩き出した。
悟空が好き…?
というか…雅が俺の事を好きだと…?
「そんな事…ある訳無い…」
そう思いながらも三蔵は歩いていた。どこに向かうでも無く、かといって雅の行きそうな場所に心辺りがある訳でもない。
しかし、鞄や財布は全て持たずに出て行ってるところを考えればそう遠くには行かないはずだ…
その位の察ししか無かった。
頭の中ではいろんなことが渦を巻いて居た。悟空の言動や想い…八戒の言葉…そして、雅のあの行動…
なぜ髪を切ったのか…
以前には、切るタイミングやその時になっていないから…そう話していた。
悟空の思いもまた、見て見ぬふりをしてきた。解りやすいが故に放っておいた方が気持ち的に楽だったのだ。
八戒や悟浄はそんな気持ちなどないだろう。しかし、悟空があそこまで言ってくるとは正直予想もしていなかった。
「フッ…にしても女の趣味があのサルと一緒とは、な」
そう笑っていた三蔵だった。しかしあの時に思ったことは変わらなかった。
これほどまでに血を浴びた俺で…良いのか…
それは三蔵にとって大きな問題にもなっていた。今までのみならず、これから先も多量に浴びて行く。それを雅の目の前で行われる…
今はよくても、今後どうなるだろう…
思いと裏腹にそんな気持ちが渦巻く中、三蔵はあるき続けた。