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【最遊記】金色の向日葵

第13章 告白


「…チッ」
「雅!」

追おうとした悟空を三蔵は止めた。

「止めておけ」
「何でだよ!」
「雅が勝手に出ていったんだ。だとしたら好きにさせておけ」
「三蔵!」

そういいかけた悟空の肩に手を置き引き留めながら話しかけたのは八戒だった。

「三蔵、いい加減にしてください。」
「…はぁ?」
「さっき雅が出ていったのはあなたが原因だって気付いていますか?」
「知るか。俺が出ていけと言った訳じゃない。」
「あなたって人は…雅の気持ちを知らない訳じゃないでしょう!」

そう言ってしまった八戒。それでも今の八戒には後悔はしていなかった。そんな八戒を見て居た悟浄はため息を吐いていた。

「八戒…ぶちギレてんな…」

そう呟いていたときだ。八戒は珍しく怒鳴っていた。

「いい加減大人になったらどうですか!」
「そんな言葉は聞きあきたんだよ!」
「だったらそれなりに行動してください!」
「俺の気持ちを言えば良いのか!?」
「えぇそうです。」
「だったらあいつを放っておいて出るか?」

その言葉を聞いた悟空は堪らずに口火を切った。

「なぁ三蔵…」
「なんだ!いったい!」
「だったら、…三蔵がそんな気持ちでいるなら、俺が雅の事、もらってもいいんだな?」
「何言ってんだ、貴様」
「だってそうだろ?雅が三蔵の事好きだって良い、俺は、雅が好きだ。」
「…ッ」
「こっち見ろよ!三蔵!」

そう言いながら悟空は三蔵の法衣をグッと握りしめた。

「俺は、雅の事が好き。三蔵も好きならそれでもいい。雅は三蔵の事好きだから、諦めようとも思った。でも、三蔵がそんなだったら俺、諦めねぇよ?いい?」
「……ッッ」

久し振りに三蔵が言葉に詰まった。誰の、どんな追及にも言葉を見失う事は無かった三蔵が、だ。

「どうなの?三蔵…」

そう問い詰める悟空。じっと見つめたまま視線を外そうとはしなかった。

「……離せ」
「三蔵?」
「…」

無言のまま、三蔵は背中を向けた。そのまま出入り口に向かって歩き出す。

「逃げんのかよ!!三蔵!!」
「悟空?……待ちましょう?」
「待つって…」

そんな2人の会話を聞かずに三蔵は部屋を出た。

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