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【最遊記】金色の向日葵

第13章 告白


「ごめんね?私が簡単に着いてったから。」
「それよりも、連れ出した悟空も悟空だ。」
「だけど…」
「『だけど、』なんだ。」
「そんなに雅を責めることないだろ!」
「ハッ、笑えるな。友情ごっこか。」
「友情じゃねぇ!」
「そうか、なら精々悟空と仲良くやってやがれ」
「三蔵だって同じだろ!」
「何の事だ。てめぇと一緒にするな。てめぇは好きにしたら良いじゃねぇか」
「…ーーーーッッッ!」

そう言い放った三蔵。その瞬間に雅は八戒に問いかけた。

「八戒…」
「はい?」
「ナイフ…ある?」
「ナイフですか…?」
「そう」
「何に使うんですか?」
「いいから…持ってたら貸して?」

そういうと探した八戒。しかし見当たらなかった。そんな中、悟浄がひょいっと差し出した。

「これでいいの?」
「悟浄、どこから…」
「向こうにあったからさ。」
「ハァ…」
「ありがとう」

そういうと雅は悟浄からナイフを受けとると鞘からスルリと抜き首元に添えた。

「雅!!」
「待ってください!!」

言うのも聞かずに雅はそのナイフを横に引いた。


ザクッ!!!!


パラリ…と床に細かい髪がはらりと落ちる。1回で斬りきれなかったため、再度ナイフをいれた。

「…ッ!」
「おいおい……」

雅の左手には長かった雅の髪がしっかりと握られていた。ナイフを棚にコトリと置き、髪をゴミ箱に捨てる。

「何…してるんですか!雅!」
「…雅!」

悟空は三蔵の前から走り寄る。しかし雅は俯いたまま居た。

「雅!!」
「…れで」
「え?」

その言葉のあと、雅は三蔵を見つめた。

「これで舞も様になることはない。それに女だって見えにくくなる…だとしたら女として見えなくて良いでしょ。」
「何言ってやがる」
「三蔵に守ってもらおうなんて思ってない!皆に迷惑…かけるつもりもない!」
「…ッ」

言い切ると雅は三蔵の横を通りすぎようとした。そんな雅の手を取り引き留めようとした三蔵の腕を雅はバッと振り払った。

「…離して…」

ひと言残して雅は宿を後にしてしまった。
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