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【最遊記】金色の向日葵

第13章 告白


それからと言うもの、悟空は普段と変わらないものの、雅と三蔵が一緒にいるのを見ると、どことなく胸が締め付けられるようになってきた。次の村に着き、宿をとる。それでも大部屋が空いており、そこにすることになった。

「なぁな!!雅!一緒に買い物に行かね!?」
「いいよ?そうしたら三蔵に言ってくるね?」

そういいだした時、悟空は雅の手をきゅっと掴んだ。

「言わなくても…いいだろ?」
「駄目だよ。もしくは八戒でもいいし…悟浄は多分出ちゃうと思うから…」
「だったら八戒に言っていけばよくね?」

そう言っていた。雅は最近の悟空の様子からしても何かどことなくの違和感を感じていた。

「じゃぁ、ちょっと待っててね?」
「おぅ!」

そう元気に答える悟空。八戒を見つけると雅は声をかけた。

「あ!八戒いた。」
「どうしました?」
「悟空とちょっと買い物行ってくるね?」
「あぁ、行ってらっしゃい!」
「……あ、そうだ。八戒?」
「はい?」
「最近悟空がなんか三蔵と喧嘩したとか言ってた?」
「悟空、がですか?」
「うん…」
「いえ?どうしてです?」
「なんか…さっきもなんだけど…買い物行くって言ったときに『じゃぁ三蔵に話してくる』って言ったらちょっと不機嫌になった…」
「……そうですか。特に何も聞いてませんよ?」
「そう?それならいいんだけど…」

少し首をかしげながらも雅はありがとうと言って八戒の前から去っていった。それを見ていた悟浄は八戒に声をかける。

「あのサル、三蔵と喧嘩したの?」
「いえ…多分本人たちも気付いてないような感情ですかね…」
「…?」
「悟空、雅の事好きでしょう?」
「あぁ。」
「それで、昨日も言ってたじゃないですか。なんかモヤモヤするみたいなこと」
「あぁ。」
「それが原因でしょうね。さっき三蔵に買い物行く事伝えてくるって雅が言っただけで膨れたといっていましたから…」
「……なるほどね」
「クス、好きという感情に慣れていない三蔵と好きなものは好きだと伝える悟空。それにそれぞれの気持ちを知っても突き放せない雅…難しいですね。恋って」

そう優しい眼差しで見ていた八戒だった。
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