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【最遊記】金色の向日葵

第12章 揺れる想い


三蔵も了承し、近くの木陰にて休憩をする事にしつつ、野宿を決めた。

「白竜?疲れてるかも知れませんが、今夜は雅が落ちない様にお願いしますね?」
「キュキュ――!!」
「ありがとう、他の僕たちは降りてますから…」

そういって焚き木を集めに行く者と、何か食べれそうなものは無いかと探しに行くものと別れた。確かに村を出て間近の為、食材自体はあるものの、いざと言う時、之から次の村までの距離の中、道中でも仕入れれるものがあるか探すのは鉄則だった。

「じゃぁ、俺ら行ってくる!!」
「はぁい、気を付けて!」

そういいながら八戒は悟空と悟浄を見送った。そのまま視線を三蔵に移すと静かに話し出した。

「三蔵?」
「なんだ」
「僕も行ってきますね。」
「あぁ」
「三蔵はちゃんとここに居てください?」
「…んぁ?なんだその念押しは…」
「…それはあなたが1番良く解ってらっしゃると思いますが?」
「…フン、どうせそう簡単には起きやしねぇだろう」
「そう言う問題じゃぁありません」
「…解っている」

『タク…』とため息を1つこぼしながらも八戒は雅を三蔵に任せて自身も何かしら探しに向かった。
3人がその場を離れて少しした頃。

「……ン」

雅がふと起きた。

「気付いたか?」
「……三蔵…ぉ?」
「俺が八戒にでも見えるか?」
「そんな事は…」
「無理すんじゃねぇよ」

そう言い放ち、よっと腰を上げると三蔵は白竜に近付いて雅の頭をグイッと押し戻した。

「少し寝てろ」
「……でも、皆は?」
「何か探しに行った。」
「…私も」
「…チッ、うるせぇ」

何か探そうと車から降りてしまった雅の腕を引き、三蔵は抱き締め、引き留めた。

「いい加減にしろ」
「……三蔵?」
「今の貴様の仕事はさっさと回復する事だ。その為にはあいつらに任せてゆっくりと寝てればいいんだよ」
「…ッッ」

そう言いながらも三蔵は抱き締めた腕を緩める事は無く、そのまま抱きしめていた。


(頼むから…余り無理をするな…・・・)


そう言いたかった三蔵の言葉は胸の奥にしまわれた。

「三蔵…ッッ」
「……何だ」
「痛い…」
「知るか…」
「大人しく待ってるから…」
「……うるせぇよ」

そう言いながらも三蔵は少しの間雅を離す事は無かった。
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