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【最遊記】金色の向日葵

第12章 揺れる想い


「李厘!!!」

そう叫ぶ紅孩児。思い切り入った為クタリと力なく地面に倒れ込んだ李厘だったが、その頭めがけて三蔵は銃を構える。

「三蔵!!待ってください!!」
「うるせぇよ」
「李厘!」

再度呼ぶ声がしたと思うとものすごい勢いで紅孩児はやってくる。そのまま李厘を抱きかかえて距離を取る。

「貴様…タダじゃおかねぇ…」

李厘を抱える紅孩児諸共、打ち殺そうとしんばかりに三蔵の目は冷たく2人を見つめている。

「おい!クソ…又出直す」

そう言い残して紅孩児は去って行った。その残像に向かって威嚇とも取れるかの如くに三蔵は1発銃を放つ。
そんな3人の元に悟空と悟浄は近寄ってきた。

「なぁ!!雅どうしたの?!」
「八戒!!どうなんだ!!」
「落ち着いて下さい!三蔵!!大丈夫です。」
「おい!」
「落ち着いて!!」

ぴしゃりと八戒に一喝された三蔵。ようやく落ち着きを取り戻した。

「取り乱すなんて、あなたらしくもない。大丈夫です。内臓破裂もしてないでしょうし…ただ、多少の炎症や腹痛は残るかも知れませんが…」
「……そうか」
「…三蔵?」

そう問いかける悟空の言葉は今の三蔵に聞こえているかは解らなかった。

「……ン…」

おぼろげながらも雅はゆっくりと目を開けた。

「良かった…」
「……あれ…八戒?」
「全く心配かけて!!」
「悟空……悟浄も……私って…」
「李厘に思いっきり殴られたんだ!」
「そっか……ッッ!三蔵…ッ!」

勢いよく起き上がろうとしたからだろう。雅はクッと顔を歪めた。

「ほら、無茶しちゃダメです。内臓破裂はしていないにしても結構ギリギリなんですから?」
「……はっか…ぃ」
「三蔵ならかすり傷1つ無いですよ。」
「単なる人間があいつの拳受けるなんて無茶が過ぎる。」
「……三蔵…」
「…大事がなくてよかった。……ありがとう」

そう言う三蔵の言葉に雅はふっと力が抜けた。

「おやぁ……」
「おやおやぁぁ?」
「…何だ」
「三蔵サマ…なんか…ヤラシイ!」
「どの口が言ってんだ、もう1回言ってみろ…」

そういうと三蔵は照れ隠しなのか、本気なのか…悟浄の口元に銃口を押しつけた。

「うほ……うほへふ…」
「チッ」
「にしても三蔵?」
「なんだ」
「少しは休ませてあげてくださいね?」
「…仕方ねぇだろう…」
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