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【最遊記】金色の向日葵

第12章 揺れる想い


どれくらい走らせただろうか。少し開けた所に出た一行。

「ん?」
「どうした?八戒!」
「あれって…」

そう言うと視線の先には真っ赤な髪をした男の人が立っている。

「紅孩児…ッッ?」

そう。そこには紅孩児が居た。少し離れた所で八戒は車を停める。

「三蔵一行!!待ちくたびれたぞ!!」
「誰だ?あいつと待ち合わせしたのは」
「誰もしてねぇと思う…」
「うるさい!!魔天経文をよこせ!!」
「いつもあんな風に唐突なんだね…」
「お前は黙ってろ…」
「へっへーん!!李厘ちゃんもいるよ!!」

そう言うとひょこっと紅孩児の後ろから顔を出す李厘もいた。

「おや?今日は他のお二人は?」
「…別件だ。其れともなんだ。俺だけじゃ不満か?」
「いえ、誰も不満なんて言ってませんよ?」
「いいからさっさと片付けろ…」
「さんぞ―――ぅ!!」
「……チッ、うるせぇなぁ…」

そんな風に話を持ちかけられるも全くと言っていいほど無視を貫き通す三蔵一行。特に三蔵は煙草に火をつけた。

「…ッ!三蔵!!」

そう言い向かってくる紅孩児の目の前に悟空が立ちはだかる。

「おぉっと、三蔵の方には行かせねぇ!」
「…フ、・・・やるか?」
「望むところだ…!!」

売り言葉に買い言葉、の様に悟空は紅孩児からの喧嘩を買って出た。

「へへん!!まだまだぁぁぁ!!」
「チ、悟空、おのれぇ…!」

そう言い距離を縮める事なく、紅孩児は妖魔を送り出してくる。

「おいおいおい!!マジか?」

その様子を見た悟浄や八戒も急いで悟空の援護に回る。妖魔を叩ききっている間に悟空と紅孩児は再度バトルを始めた。

「……今のうちに…!!」

そっと近寄りながらも李厘は三蔵との間合いを詰めてきていた。

「てぇぇい!!」
「三蔵!危ない!!」

考えることなど出来ないまま雅は李厘と三蔵の間に割って入る。


ドスッッ


鈍い痛みと同時に雅の意識は飛んでいった…

「…チィッッ!…八戒!!!」

そう叫ぶ三蔵の声を聞いて粗方片の付いた八戒は走ってくる。

「な…なんだよ!!おいら、悪くないぞ?!」
「……貴様…死にてぇか…」
「さ…三蔵…?」

八戒が来て回復させている間に三蔵は李厘の前に立ちふさがる。

「……おい」
「……にゃ……にゃぁん」

そう言う李厘の腹部に思いっきり三蔵の拳が入った。
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