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【最遊記】金色の向日葵

第12章 揺れる想い


朝食を終えて買い出しをした5人は午前中にその村を出た。思い出したかのように車を停めた八戒は雅に昨日預かった物を手渡した。

「これ、そう言えば遅くなってしまって…」
「え?何?」
「昨日三蔵に雅が連行された後にあの方たちから預かってたんです。昨日の出演料にって…」

そういって預かっていた封筒を渡した。そこにはかなり予想を超えた額が入っている。

「こんなに…」
「僕も1回は断ってみたんですが、どうしても渡してほしいと…なので、それは雅に渡しておきますね?」
「確かに…八戒断わってたな」
「クスクス」

自身の舞で稼いだお金だった。それでも当然ながら、以前に八戒や悟空が稼いだ額にしては少ない。

「今度から私もお金稼ごうかな…」
「却下」

雅のぽつりとした独り言に誰よりも早くに反応したのは三蔵だった。

「でも三蔵?こうして一緒に旅してる中で、私の食費とか宿代とか…」
「心配には足らん」
「でも、カードの引き落とし…大変なんじゃ…」
「あ――、雅?あのカードはなぁ。」
「三蔵のじゃねぇんだ!!」

はっきりと言い切ったのは悟空だった。それを聞いた雅は驚きを隠せ無かった。

「え…じゃぁ誰の……?」
「三仏神」
「さ……さんぶつしん??」
「あぁ。」
「どっちにしてもお前は踊らなくていい」

そう言い切って三蔵は顔を併せようとはしなかった。

「お支払の事なんですけどね?三蔵に命令して、奪われた経文を探しに行かせてるのが三仏神なんですけどね?長安の斜陽殿にいらっしゃるんですけど。言ってしまえば三蔵の直属の上司って所ですかね」
「そっか……挨拶とか」
「必要ない」
「きっと、雅の事話してないからでしょうね」
「だけどよぉ、三仏神ならきっともうとっくにバレてんじゃね?」
「それもそうですね…ハハ」

そう笑いながらも白竜にのった一行は進んでいく。そうこうしながらも雅は色々と考えていた。

「まぁ雅?そんなに考えても仕方ねぇじゃん?三蔵が大丈夫だっていうなら大丈夫なんだし?」
「そうですよ。雅は僕らの回復に一役も二役もかってくれてるんですから。」
「そぉ…かなぁ。」

そんな事を話していた。
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