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【最遊記】金色の向日葵

第12章 揺れる想い


「なんだ!うるせぇ!!!!」
「三蔵ぉぉぉ…」

そこには今にも泣き出しそうな顔をしていた悟空が居た。

「今度は貴様か。なんだ」
「雅が……雅が居ねぇの…」
「あいつならここに居る。」

そう言うが早いか、悟空は三蔵の部屋の中を覗き込んだ。

「雅――――!!」
「おい、勝手に入るな…」

三蔵の言葉を無視しながらも悟空は中に入りこむ。そのまま雅に飛びつくかのように巻き付いていくとぺたぺたと顔やら体を触り始めた。

「どこもけがしてない?」
「おいサル、てめぇは人の話を聞け」
「悟空?私大丈夫だよ?」
「俺、さっき起きたら雅いないから……もしかしたら俺、寝てる間に雅に迷惑かけたんじゃないかなって…それ気になって…もしくは妖怪に浚われたのかとか…ほんとにいろいろ考えて…三蔵に聞きに行ったら何か解るかも知れないって…」
「阿呆が…雅もついさっき来たばっかりだ。1人で時間持てあまして貴様を起こすのも悪いとかほざきながら俺の所に来た。何も血相変えてくる事じゃねぇだろうが。」
「…え、そうなの?」
「それに、お前もお前だ。だから言ったじゃねぇか、悟空には言って来たのかと。」
「……ごめんね?悟空…心配かけて…」
「そっか…!!それならいいんだ!!!俺が雅に迷惑かけてないんならさ!!」

にこっと笑い、三蔵の気転の効いた話を信じた悟空。そんな三蔵の顔をじっと見つめた雅に気付いた三蔵は声をかけた。

「…なんだ」
「ううん…なんでもない…」
「言いたい事があるならはっきり言え」
「…無いよ?」
「…フン」
「なぁ、雅!部屋戻ろうぜ!」
「うん、じゃぁ、ごめんね?三蔵。ありがとう」

そうして悟空に連れられて雅は三蔵の部屋を出て行った。残された三蔵は、ベッドに座りため息を吐く…

「あの時、悟空が来なかったら……?……ハッ…笑っちまう…」

そう呟いていた。
悟空と一緒に部屋に戻った雅はただひたすら悟空に謝って居た。

「ごめんね?三蔵の言うとおりにメモでも残して行けば良かった。」
「いいんだって!!本当に!雅が無事なら!!」

そういって逆に悟空の方が慌てていた。
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