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【最遊記】金色の向日葵

第3章 知られた能力


その力を使った後に何かを感じたのだろう。八戒は三蔵に背中越しに小さく問いかけた。

「今、何か感じませんでしたか?」
「……多少な」
「雅さんでしょうか?」
「……知らん」

そう言いながらも2人は眠りに就いて行った。

次の日の朝。朝早くに雅は食事の準備に向かっていった。直に白竜も目を覚ましたのだろう。雅の肩口にちょこんと止まって乗っていた。4人の中で1番最初に目を覚ましたのは八戒だった。

「おはようございます。」
「あ、八戒さん。おはようございます」
「白竜も、おはよう」
「キュキュ!!!!」
「……?相当あなたになつきましたね…」
「そうかな…」
「えぇ。白竜もなかなかないんですよ?こうしてなつくのは。」

そう言いながらも白竜が八戒の元に飛んで行った時だ。八戒の顔つきが変わった。

「白竜?」
「キュキュ?!」
「あなた…一体どうして」

そうしてフッと雅の方を向いた八戒。しかし、雅は何食わぬ顔で食事の支度をしていた。

「昨日感じたのは…まさか本当に…?」

そう呟いていたものの、半信半疑だった。大量!とまではいかなくても朝ごはんになる位は作れた頃。八戒に頼んで3人を起こしてきた。悟空と悟浄は起きてくる。しかし、三蔵は起きてくる気配がなかった。

「あの…三蔵さんは?」
「彼、寝起きがめっぽう悪いんですよ。起きるまで放っておいてください」
「良いんですか?」
「構いません」

そういって八戒はにこりと笑うとしっかりと手を合わせて、先に食べ始めている悟空たちと一緒に食べ始めた。良いだけ食べると悟空は満足そうに『御馳走様!!』と元気に言葉を発した。

「なぁな!雅!俺さ、昼に肉喰いたい!!」
「我儘言ってんじゃねェぞサル!ただでさえ人の分まで食っておきながら!」
「そうですよ?悟空」
「…あ、でも、確かにお肉少ないですよね…買いに行きましょうか」
「でも雅さん、お金がないんでしょう?」
「だったら生臭坊主たたき起こしてカード貰えばいいんじゃね?」
「それ、昨日話してみたんですけど…」

はぁっとため息つく八戒を目の前にして雅はおずっと差し出した。

「これ…ですか?」
「え?」

そう、雅の手の中には紛れもなく三蔵のカードがあったのだ。
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