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【最遊記】金色の向日葵

第10章 踊り子の誕生


「悟浄?どうかした?」

そういって顔を覗き込む悟空に悟浄は首を振る。

「いんや?あのカッコ、雅のさ?三蔵にみせれるか?」
「あれかぁ。でも三蔵も喜ぶんじゃね?」
「……俺は激オコになりそうな予感しかないんですけど…」

そう、そう言う雅の格好とは、ホルタ―ネックで胸元ギリギリまでのV字ネック。中に黒のインナーを着ているからと言っても背中も開いている。足元は着物の袴をイメージしているのだろうか。ふわりとした装いなのだが膝丈まで深く開いたスリットが目立っていた。

「でも、なんかすっげぇきれいだよな…」

そういう悟空の言葉に頷くしかなかった悟浄。そうして偵察を終えた2人は三蔵と八戒の待つ部屋に戻って行った。

「おや、お帰りなさい。どうでしたか?雅の様子は…」
「いや!それがさ?めっちゃくちゃきれいなの!!な!悟浄!!」
「あ…あぁ。」
「悟浄?どうしました?」
「あれは……見ていいのか悪いのか…」
「そうとう踊りが形にならんのか?」
「や、そっちは相手さんも大満足だった」
「では、一体何が問題なんですか?」
「衣装!!!」

そう悟浄と悟空の声は一緒に重なり響いた。

「すっげぇきれいなんだよ?悟浄何で超見とれてんの!!すっごいひらひらで、足とか背中とか…すっげぇ色っぽかった。」
「悟空がそこまでとは…そうですか、それは楽しみですね!ね?三蔵?」
「フン、俺は見には行かん。」
「どうしてですか?」
「そうだよ!どうしてなんだよ!!」
「知り合いがわらわらと見に行って緊張でもしてへましてみろ。ここの宿代払えなんて言われて払えるか?」
「…いや、それは。」
「だろ?だから行きたければ貴様らだけで行って来い」
「後悔、しませんか?」
「後悔だと?フン、する訳ねぇ」

そう言い放つと新聞を片手に読み出した。それから少しして雅も戻って来た。

コンコン…

そうして入ってきたのは三蔵の部屋だった。
中からの返答を待っていると時期に三蔵は扉を開けた。

「なんだ」
「あの、今いい?」
「少しならな」

そういって三蔵は雅を部屋に招き入れた。

「なんだ?」
「えと…三蔵、見に来てくれる?」
「何をだ」
「なにって…私踊るの…来てくれる?」
「行かねぇよ」

そう言い放つ三蔵の声に表情は一瞬暗くなった。
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