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【最遊記】金色の向日葵

第10章 踊り子の誕生


それぞれ部屋に案内された後、雅は早速踊りの合わせに入って行く。衣装も同時にサイズを直していく。

「これって…本当に私…これで大丈夫…?」
「えぇ!!ばっちりとお似合いです!お連れの方達もきっと目を見開いてくれると思います!」
「そ…ぉかなぁ…」
「絶対大丈夫ですよ!!」

そういって満面の笑みをくれるのは衣装合わせをしてくれていた女性だった。

「あの…」
「はい?」
「本当に私でいいのかなって…踊り見たらきっと後悔するかも知れませんよ?」
「大丈夫だと思います。あぁ見えてあの人の目は確かなはずですから!」
「『あぁ見えて』は余計だと思うが?リンネ」
「あ…聞こえてたみたい…」

リンネと呼ばれたその女性は小さく舌を出しながらも下から雅を見上げて笑っていた。

「さ、衣装は整ったか?」
「あ…はい…」
「早速だが、舞って見て貰えるか?」
「舞ってって…」

音もないままの空間で少し戸惑った雅。それを察したのか後ろに居た1人の男がゆったりと弦をかき鳴らす。

「……ッッ」

その音にゆっくりと合わせるように、そして流れるように…雅の手足はゆっくりと空間を彩に変えていった。

「……ほぉ…」

目を見開いたのは一行の誰かではなく声をかけてきたまさにその人だった。

ギターの音も鳴り終えたその時。

ワァァア――――!!

歓声と同時に拍手が起こった。

「やっぱり俺の目に狂いは無かった!!!」
「すっごい!!」
「どこかの踊り子か?」
「いえ…そんな事は…」

そう話していた時だった。様子を見に来た悟空と悟浄はぽかん…とした様子で入口から見ていた。

「なぁ、あれ雅か?」
「そうだろうな…」
「なんか…すっげー可愛い!!!」
「だな…」

そんな2人に気付いた雅は小さく手を振った。

「おぉ!旅仲間か…!!この子、どこかの踊り子だったのか?」
「踊り子?」
「そうなのか?雅…」
「ち…違うよ?」
「にしても、すごくいい感性の持ち主だ!!本番は申し分ない!」

そう喝采を受けて居た。それを見ていた悟空と悟浄は内心すごく嬉しかったものの、雅の衣装に戸惑いを隠せなかった。
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