第9章 恋心、その灯の揺らめき
「……ほぉう、イエロートパーズですか。」
「トパーズ?」
「えぇ。そう書いてあります。」
「言っても、屑だろ」
「それでも、トパーズには変わりないのでしょう?」
「……フン」
「トパーズって言ったら……三蔵ですね。」
「八戒?何でトパーズが三蔵なんだ?」
「確かに色はおんなじだけどさ?」
「いいですか?三蔵の誕生日は?」
「いい肉の日―――!」
「…クスクス、そう、11月です。トパーズは確か、11月の誕生石の筈でしたから。」
「あぁーーそれで、三蔵って事ね?」
「えぇ。」
「三蔵ってお誕生日11月なんだ」
「そうそう!肉の日!」
「肉?」
「11月29日。語呂合わせでいい肉の日、なんですよ?」
「そっかぁ…」
「ちなみに俺はねぇ、4月5日!」
「僕は、9月21日です悟浄は?」
「んぁ?11月9日」
「そういう雅は?何月なんだ?」
「私…?6月10日……」
「そっか!!」
そんな話をしながらもワイワイと祭りの雰囲気を楽しんでいた。そんな中…昼食を摂ろうとして1件の店に入った時だった。
『どうすんだよ!メインイベントだぞ?!』
『そうかも知れないけど…今から代わりなんて見つからないし…』
『でも何とかしなくちゃいけないだろう…』
そんな声がしていた。何か又もめごとか?そう考えた一行は少し離れた所に敢えて席を取り座った。
「何かあったのかな…」
「放っておけ。関わるとロクな事にならん」
「ん-、確かに僕ら、そういう運命的な所ありますからね…」
「にしてもなんか超深刻そうじゃね?」
「…フン、知った事か…」
そう話しながらも注文し、食事を待っている間に雅は台拭き持ってくるねと席を立った。
「おやまぁ。」
「よく気が利くねぇ…本当に」
「お前らが利かなさすぎなだけの間違いじゃねェのか?」
「そう言う三蔵も待ってるだけでしょう?」
取りに行った雅を目で追っていると悟空は少し慌てたかのように話し出す。
「なぁな、あれ!雅なんか絡まれてねぇ?」
「…はぁ?」
「あら―。確かに」
「…ッチ」
「三蔵?どうしますか?」
「……どうするもこうするも『俺行ってくる!!』……ってあの馬鹿ザル」
「あーらら。先越されちゃったね」
「フン」
そういいはぁっとため息を吐いた三蔵。