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【最遊記】金色の向日葵

第9章 恋心、その灯の揺らめき


「……タク、ほらよ」
「三蔵、いいの?」
「何今更言ってんだ。俺は要らない。欲しがってたのはお前だろうが」
「そ…そうだけど……」
「三蔵様も素直じゃないねぇ…」
「本当に!あの人も言ってたじゃぁないですか。彼女に良い所みせれたって!!」
「は……八戒!!」
「彼女じゃねぇ」

そのひと言にいつもならしょぼっとするはずの雅だったが、今はそんな様子全くない。ただ、三蔵から手渡されたネックレスが嬉しくて仕方なかった。

「ねぇ、三蔵!付けてみてもいい?」
「好きにしろ。お前のだろう」
「ヘヘ…」

そう言いながらも付けようとしていた雅。しかしなかなかつけられない。

「ん―…」
「どうしました?」
「うまく……つかない……」
「どれ……」
「悟浄…!」
「……お?つかねぇな…八戒パス」
「何でこっちに丸投げなんですか」
「いいから……」

悟浄から目くばせを受けながらも八戒は雅の後ろに回り込む。しかし八戒も上手く付けられなかったのだろう…

「おかしいですねぇ…三蔵?」
「知らん」
「せっかくなんですから…」
「付けれねぇなら無理して付ける事もねぇだろ。」
「…いいよ、八戒…ありがとう」
「ダメですよ、付けた雅を見てみたいんです」

そう言いながらも八戒は三蔵を呼び寄せた。

「ッチ、何で俺が…」

雅の耳元でブツブツと呟く三蔵が居る。それでも背後ですんなりと付けれた三蔵が居た。

「お前ら、こんな程度で何してやがる」
「わ――!三蔵すごい!!」
「三蔵サマ手先器用――――!!」

そうわざとらしくも八戒と悟浄は手を叩いて、乗せられた三蔵をほめたたえた。

「……貴様ら、まさかこの俺を…填めたか?」
「何のことですか?僕らはただ、付けれなかったから…」
「三蔵!!」
「なんだ」
「ありがとう…つけてくれて…」
「フン、もう2度とつけねぇからな?外すなら自分で付けれるようにしておけ」
「うん、ありがとう!」

にこっと笑う雅の顔を見て悟空や八戒、悟浄は口々に言葉を漏らした。

「うん!雅似合う!!」
「本当!すっげぇ似合ってるぞ!」
「これ、説明書ですかね」

そう言いながら八戒は添え付けられていた紙を広げた。
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