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【最遊記】金色の向日葵

第2章 出逢い


しかし、幸いにも食料は売ってくれる。どうやら『悪魔の子』を殺したりしたら祟られると思われているらしいという事も雅から聞いたのだ。

「そうでしたか…」
「なので、お金さえ払えば売ってくれるんですけど…」
「けど…何ですか?」
「両親の蓄えもほぼほぼ尽きて…」
「僕たちがお邪魔したから余計に食費がかさんでしまってるんじゃないですか?」
「ハハ、確かにこれだけ買ったのは久しぶりですね」

そう笑っている雅を見て申し訳なさそうに八戒は目を細めた。

それに対して雅もまた『大丈夫!』と言葉を返した。

自宅に着き、それぞれ仕分けをしていく雅。八戒は町での出来事を三蔵に話した。

「……それで?」
「なので、次の買い物にはカード、貸してください?」
「何で俺のカードで食費を賄わなきゃならんのだ。」
「あなたも食べる分がはいっています。それに食事が無ければ悟空が死にます。」
「あいつは死ぬ死ぬって死にはしねぇだろ」
「…確かにしぶといですが…」
「うるせぇよ!!少し黙ってろ!!!!」

はしゃぐ悟空と悟浄に対して三蔵はまたも怒りをあらわにしていた。

その日の夕飯もしっかりと用意された。食事が終わると三三が1番最初に入浴。悟空や悟浄も風呂に入り、八戒も白竜と入る。一時雅と三蔵が2人きりになった時だ。
雅は三蔵に声をかけた。

「あの…」
「……なんだ」
「食事、足りてますか?」
「なぜそんな事を聞く」
「あまり満足に用意できてないかと思って…」
「……フン」
「ごめんなさい、お疲れなのに」

背中を向けた時だ。『おい』と背中越しに声をかけられた。

「はい?」
「……お前に預けてやる。」
「え?」
「俺が行ったらどうせ買い物等出来ないだろうからな。あのバカどもに喰わせる食料だってある。使えばいい…」
「…でも」
「さっさと取りに来い。バカか」
「……ありがとう」

そういって雅は三蔵が差出たカードを受け取った。そのまま大事そうに両手に包みこみ部屋を後にする。しかしすぐに又その扉は開いた。

「あの!」
「今度はなんだ!」
「なにか、食べたいものとかありますか?」
「……特にない。いまのでも十分満足だ」

そう言う三蔵の返事を聞いて雅は部屋を後にしていった。
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