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【最遊記】金色の向日葵

第2章 出逢い


冷たくも三蔵はそう言い切った。しかし、それに反論するかのように八戒と悟空は待ったをかける。

「随分な長旅で白竜も疲れています。少し休息を取らなくては途中でバテますよ?」
「そうだぞ!まだ雅の飯食いたい!!!」
「それも一理有りますね。今後の食料の調達、身支度等も必要になります。」
「ならどうする!野宿でもする気か?」
「ここに!!!……あの…狭いんですけど、ここで良かったら…」
「でも、ご迷惑じゃないですか?」
「いえ、家には余程の事があっても大抵放っておかれますし。」
「でもご両親とか…」
「亡くなりました。」

そのひと言で空気は一瞬重たく変わった。

「あ、すみません。何か…」
「いえ、僕たちの方こそ…すみません…」
「でも、ここに居たら少しの間雅は淋しくないんだろ?」
「……悟空さん…」
「悟空でいいよ!な!雅!!」
「お前は軽すぎんだよ!」
「なんだよ!悟浄だってエロがっぱのクセして!!!」
「こんなうるさい僕たちなんですけどいいんですか?」
「はい!」
「…だそうですよ?三蔵。どうしますか?」
「…好きにしろ」
「やったーーーー!!!」

そういってとりわけ悟空は飛び跳ねた。こうしてこの日から雅の家にもどれくらいぶりかの笑い声が戻って来たのだった。買い物に行くという雅の御供に八戒は着いていくと言ってくれた。

「でも…」
「荷物持ち位は出来ますよ?」
「ありがとうございます」

そうして一緒に外に出る。しかし、前ほどの突然の居なくなるという行動には出なかった。

「変ですねぇ…」
「何がですか?」
「ここに着いた時にはみなさん一気に家に入ってしまわれたのに…」
「多分三蔵さんが居ないからでしょう?」
「三蔵……がですか?」
「はい。三蔵法師が妖怪や、魔物や獣を連れてくる、呼んでくるってうわさなので…」
「僕たちも同罪の様な気がしますが…」
「でも、私と一緒だと八戒さんも嫌な気持ちになるかもしれませんよ?」
「え?」

そういった雅のことばの意味は買い物先の店内に入ってすぐに解った。まるで透明人間が買い物している様な扱いだ。
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