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【最遊記】金色の向日葵

第8章 迷い


「ご…悟浄?」
「んー、少しだけ…泣きそうになってる顔とか、俺苦手なんだよね…」

そう言いながらきつくもなく、ふわりと腕が回っているだけの悟浄の優しさに雅は甘えてしまいそうになっていた。

「ごめん…ありがとう…悟浄…」
「いんや?なんてことねぇよ…それより雅?」
「何?」
「……正直、三蔵の事好きでしょ」
「…ッッ」

言葉を失った雅の顔を覗き込んで悟浄はにかっと笑いかけた。

「みてりゃりゃ解るよ。三蔵に通じてるかはさておいて、それに悟空も脳みそ的に意外と恋愛には向いてねぇから?気付いてねぇかもしれない。」
「悟浄…」
「俺は、なんとなく解んの。何でって言われると何でかはよくわかんねぇけどさ?」
「……あのね?」

少し焦ったような雅。必至になって悟浄の言葉を停めようとしていた。

「まって?あの…」
「ん?…もしかして俺の思い過ごし?」
「……フルル」

小さく首を振る雅。そんな相手の頭に手を置いて悟浄はハハッと笑いながら話していた。

「大丈夫だって…誰かに話したりしねぇよ。ましてや三蔵には?絶対。」
「……お願いね?」
「あぁ。」
「…本当にほんとね?」
「用心深いね…」
「だって…もしバレたら…もぉ一緒に居られなくなるかも知れない…」

そう呟いた雅の声は今にもきえそうなものだった。

「大丈夫。少なくとも今の三蔵は雅を置いて行ったりはしないはずだ、それに八戒の負担を考えても、俺や悟空もまだまだ一緒に居たい。そう思ってる。」
「…悟浄…ありがとう…」

そう呟いた雅は下からふわりとした笑顔を見せていた。そんな時だ。遠くの方でワーワーと話し、叫んでいる様な声がしてきた。

「なんか…騒がしい?」
「確かに。行ってみるか…」

そうして悟浄と雅は少し離れたその川べりから3人の居る場所へと向かって行った。

近付くにつれてその声の主は悟浄には見当がついた。

「雅?ちょっと…行かない方が良いかも…」
「え?でも…大変なんじゃ…」
「雅がはいったらもっと大変な事になると思う…」
「え?」

そういっていた。
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