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【最遊記】金色の向日葵

第8章 迷い


そう言い放つ三蔵の言葉に耐えれなくなってきたのか…雅はキュッと唇をかみしめてその場を離れた。

「雅!!」
「放っておけ」
「三蔵?いくらあなたでもあれは言い過ぎですよ?」
「言い過ぎだろうと知った事か。」
「三蔵!!」
「それともなんだ?雅の町を出る時に言った言葉、八戒自身が言った言葉すら忘れたのか?」

そう三蔵は八戒に言い切った。

「え…?」

その三蔵の言葉を受けて八戒は思い返す。


『雅が居てくれたら僕は皆さんの回復用に力を取っておくことをしなくて済みます。』


そう確かに自分は言った。そう思った八戒は三蔵の顔をしげしげと見つめた。

「三蔵?…もしかして…」
「……何が言いたい」
「雅の力は回復のみにしておこうと?」
「……フン、さぁな」
「それとも、下手に戦う術を身に付けられたら『いろんな意味』で困る、と?」
「どういう意味だ。」
「どちらにしても、あの言い方では完全に雅は勘違いしてますよ?もう少し考えてあげてください?」
「俺が?」
「三蔵以外に誰が居ますか?悟空も悟浄も意外とああ見えて雅の事考えてますよ?」
「……知った事か」

そう言いながらもジープを降りて木陰に座り込んだ。


一方の雅は、悟浄たちと合流していた。

「あっれ?雅!どうした?」
「……何か…悪い事言ったみたい…」
「どうした?」
「……さっきの時に私何も出来なかったから…どうにか八戒みたいに気功砲的なの出来るかとか思ったの。だけど逆に三蔵には足手まといになるって…」
「んな事ねぇよ!!雅は足手まといじゃねぇよ?」
「……ありがとう、悟空。」
「俺ちょっと八戒たちのとこ行ってくる!!」

そういってその場から悟空は八戒と三蔵の元に戻って行った。その場に残った悟浄はそっと雅の前に立つ。

「……きっとさ?あの三蔵の事だから言葉が足らねぇだけじゃねぇのかな。」
「……」
「三蔵だって本当に足手まといならとっくに放っておいてるだろうし?それに初めから連れて何て来やしねぇよ?」

そう話す悟浄の前で俯いた雅をそっと包み込んだ。
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