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【最遊記】金色の向日葵

第8章 迷い


『こらーーー!!まてぇ!!三蔵ーーー』

そういう少し高めの声が聞こえてきた。

「ご…悟浄?これって…もしかして…」
「あー、やっぱり…」

雅の後を追いながらも悟浄は木陰からその様子を見ていた。

「あ!悟浄!いつまでどこにいんだよ!!」
「そうはいってもさ?」
「三蔵ーー!覚悟ーーー!!!!」

そう言いながらもその可愛らしい少女は自身の何倍、何十倍というほどの大きな岩を持ち上げて三蔵めがけてぶん投げた。

「……三蔵!」
「…どぅりゃぁぁぁ!!」

その岩を悟空は軽々と如意棒でたたき壊す。

「李厘!!覚悟!」
「おいらをやっつけれなんてできないよーっだ!!!」
「ヘヘ、どうかな!!」

如意棒をしまい、握り拳を作る悟空。それに併せてある程度の間合いでその女の子も構える。

「ちょ…!!悟浄!悟空止めないと…!!」
「大丈夫だ。」

そう話しながらも雅はその渦中に飛び込んだ。

「ちょっとまった!!」

悟空とその女の子の間に割って入った。

「ぅわ!!雅…」
「……あのバカ」
「うわぁぁ!!…何々?!誰?」
「悟空!女の子相手に何喧嘩してんの?」
「あぁあ…」

一気に力を抜かした悟空に対してその女の子はニッと笑うとトトっと走り寄る。

「わぁ!!ちょっとたんま!!」
「うるさぁい!!!」

え?っと振り返った雅を目前にガゥンっと三蔵は1発放った。その音で女の子も動きを止める。

「三蔵?」

スタスタと近寄り、ハリセンで悟空と雅をはたく。

「いってぇ!!」
「フン、やたら滅多らと喧嘩に応じるからだ、ど阿呆が」
「……ッッ」
「三蔵!!!」

そういってその女の子は三蔵にぴたりとくっつく。

「貴様も、分別なく殴りかかるな。」
「えぇぇ?」
「それから離れろ。鬱陶しい!!」
「……えぇ、じゃぁ、三蔵の魔天経文くれたらおいら離れる!!」
「ふざけるな!!」

珍しく三蔵が声を荒げてた。そんな時だ。

「李厘!!」

上の方から声がすると『李厘』と呼ばれたその女の子はにこっと笑っている。

「お兄ちゃん!!」
「なんでお前はそうやって…」
「紅孩児…」
「おい、」
「……済まなかったな…」

そういって頭を下げたのは赤い髪の男の子だった。
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