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【最遊記】金色の向日葵

第8章 迷い


そう言われながらも雅は少し戸惑い気味に俯いた。

「どうした?雅」
「ううん?何でも無い…」
「何かあるなら話してみ?」
「うん…大丈夫…ごめんね?心配かけて…」
「いんや?俺は良いんだけど…」

そう言いながらもにこっと笑って見せる雅に今はそれ以上深入りしないで置いた悟浄。そうこうしている内にちょうど良い木陰にやってきた。

「少し休憩しましょうか…」
「賛成ーー!!」

そういってジープを停めて、三蔵以外の4人はジープから降りた。そのまま近くに散策はじめた悟空と悟浄。

「何かあるかも知れないから行ってくる!!」
「悟浄、悟空に着いてってください?」
「へーへー…」
「早くしろよ!!悟浄!!」
「はいはぁい!!!」

そうしてその場には雅と八戒、そしてまだ寝ている三蔵が残っていた。

「……それで?」
「え?」
「さっき悟浄が聞いていた事。まんざらじゃないでしょう?何かあったんですか?」
「…あの…ね?八戒…」
「はい?」
「八戒って、さっきの戦いのときの様な気功って初めから出せた?」
「……クス」

そう切り出した雅の言葉で、八戒は何かを感じとっていた。

「雅?どうしたんですか?」
「答えて?最初から出せた?」
「最初からっていうか、初めて会った時にも僕言いましたけど、僕は悟空や悟浄の様に始めから妖怪っていう訳じゃないんです。それで、この力を手に入れた時、見様見真似でやったら出来て、それ以来僕の戦い方って感じですね。」
「そっか…」
「次は僕の質問に答えて貰いましょうか?どうしたんですか?」
「…さっきみたいに囲まれた時…私の所に三蔵が来てくれて…その後に八戒が来てくれた。だから私はこうして今も無事なんだけど……そうすると、私も何か戦える術があったらいいのになって思って…」

そう話していた時だ。寝ていたはずの三蔵がおもむろに言葉を発した。

「必要ねぇ」
「…ッッ」
「三蔵、起きてたんですか?」
「あぁ。」

そう言うとフッと顔を上げる。その目はまだ少し寝たりないと言った様子だ。しかし、開かれたその目は真っ直ぐに雅を見つめている。

「三蔵…でも…私」
「お前に戦いなんて望んじゃいねぇよ。ヘタに戦われたら足手まといだ。」
「…ッッ」
「三蔵!!」
「本当の事だ。」
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