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【最遊記】金色の向日葵

第8章 迷い


「うーーん……」
「雅?悟空に合せなくても良いですよ?」
「ガタガタうるせぇんだよ!!」
「……なぁ、何か今日三蔵機嫌悪い?」
「だな。」
「どうしたんだろう…」
「三蔵?」
「うるせぇ…黙って寝かせろ…」

そう言うと体の前で腕を組みスッと瞼を閉じた三蔵。

「なぁ雅?」
「何?」
「三蔵って…昨日も床だった?」
「ううん?昨日はベッドだった……ッッ」
「?どうした?顔赤い?雅熱ある?」
「ううん…そんな事ない…」
「おんやぁ?もしかして…(三蔵とイイコトした?)」
「してない…っっ!!!!断じて!!」
「うるせぇって言ってんだろうが!!このバカ!!」

そう言うと三蔵は空に向かって昇霊銃をガゥンと打ち鳴らした。

「あぁあ……どっちにしても怒らせたっぽい?」
「みなさん?三蔵がこれ以上怒ると大変ですからね?静かにしていてくださいよ?」
「はぁい……」

後部座席に座る3人を八戒が運転しつつ、にこにことした表情で申し伝えた。

「でもさ、三蔵が床で寝るとか…本当に珍しいよな!!」
「あぁ。俺ら相手なんてぜってぇ自分優先でベッド権持ってくもんな」
「確かに!」
「それだけ雅の事気にかけてんだろうけど?」
「……そんな事、無いよ?」
「は?そりゃまたどうして?」
「だって…三蔵……」
「ん?」
「ううん……なんでもない」
「そう?」
「なぁな!雅!!また何かあったらちゃんと俺らに言えよ?」
「そうそう!!」

そういって少し早い悟空のおやつタイムは始まった。それでも食べている最中は特に静かになる為加減させるように見張っているだけで済むのだった。

「悟空?他の人たちの分はきちんと残しておいてくださいね?」
「ほぅ!わはっへう!!」
「クス、ほら…悟空。付いてる。」

そう言うと横に座っている雅は悟空の口元に着いたカスをそっと拭い取っていた。

「ンク…ありがとう…!!」
「いいえ」

にこっと笑う悟空を見て雅もまたほっこりとした気持ちになっていた。それを見ていた悟浄は頭の後ろに手を組み仰け反っている。

「おーおー、羨ましいこって…」
「何が?」
「…そう言うとこ、俺嫌いじゃないぜ?」

そういって雅の頭をポンッと撫でていた。
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