第7章 宵の悪戯
「そんな事ねぇよ、」
「そうですか…なら悟空が貰ってもいいんですね?」
「は?」
「何、あのサル雅の事好きなの?」
「まぁ、恋愛感情かどうかは置いて置いたとしても好きだー!!って言ってましたから…」
そう言い終わるが早いか、悟空と雅はそろって笑いながらも席に戻って来た。雅は自身の皿と別にコトリと少し大きめの椀を悟浄の前に差し出す。
「悟浄?大丈夫?」
「あぁ…何とかな…」
「これ…お粥出てたから、貰ってきたんだけど食べれそう?」
「あー、…少し貰うわ」
「良かった。お水持ってくる!」
そう言うとパタパタと走って行く雅。その後ろ姿を見て悟空は話し出した。
「さっきさ?!それ雅食うの?って聞いたら悟浄のだって言ってたぜ?酔いが覚めきらない内にご飯になっちゃったからって。」
「やっさしーねぇ。」
「だろ?俺は一切気付かなかったんだけどさ?」
「そら、サルだもんな。大丈夫だ」
「誰がサルだ!!」
「サールサール」
そう言い茶化していると、雅は戻ってくる。
「何話してるの?」
「雅―――!!!!悟浄が又サルっていった!!」
「だったら悟浄に河童!!!って言ってやったら?」
「…確かに。」
妙に納得した八戒とさらに言い争いがヒートアップしそうな悟空と悟浄。それを先回りに察知した三蔵はひと言『黙れ』と呟いていた。
「サールサール!!」
「河童ぁぁぁ!!エロエロ河童!!」
「まぁまぁ、その辺りにしておかないと」
ガゥン!!
「三蔵の銃がうなりますよ?」
「八戒ぃぃ、遅いよ…」
そう笑いながら話していた。そうこうしながらもゆっくりと食事を済ませていく。食事を済ませると、雅は八戒に声をかけた。
「あのね?八戒。」
「なんですか?」
「お買いもの行って来ていい?」
「どうぞ?それとも一緒に行きましょうか?」
「いいの?ありがとう」
そう言い、食事後に2人は買い出しに行く事にした。明日町を立つための買い出しと、道中の食料、それから諸々の備品等だった。
「…じゃぁ、僕たち買い物して帰りますからね?」
「あぁ。」
「気を付けてなぁ!!!」
そうして見送られながらも繁華街に入って行った。