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【最遊記】金色の向日葵

第7章 宵の悪戯


「髪…だと?」
「うん…キラキラして…すごくきれい…」
「…フン、バカが…」

そう言いながら懐に手を入れて煙草を出す三蔵。1本取り出して、口にくわえる。
そんな三蔵に雅は問いかけた。

「ねぇねぇ三蔵?」
「さっきからなんだ!!!」
「髪…少しだけ触っていい?」
「断る」

一刀両断された雅の言葉。考える余地など全くなかった。

「…ちょっとだけ…」
「断る」
「何で?」
「じゃぁなんでそんなに触りてぇんだ」
「気持ちよさそう」
「なんだそれ…」
「ねぇ三蔵…?」
「うるさい」

そうまで言われて流石に少ししょぼ…とした雅。しかしそんな事には目もくれずに三蔵は煙草を吸い上げていた。

そうして時間も経ち、夕食の時間となる。5人揃って食べに出るものの悟浄の体内にまだ酒の余韻が残っているようだった。

「…てか、三蔵……なんでそんなに元気な訳?」
「貴様よりも飲み方が上手い。其れだけだろう。」
「三蔵?雅にヒールの力、使われませんでしたか?」
「…さぁな。目が覚めたらいつもより相当気分が良かった。」
「まぁ、雅の力に酔い覚ましもあるとは思いませんでしたが…」
「それより八戒。」
「はい?」
「……いや。何でもねぇ」
「なんですか?あなたらしくもない」

バイキング形式の為、悟空と雅はそうそうに取りに行っている。残った3人は少し話をしていた。

「あいつを…、雅を何時まで一緒に居させる気だ?」
「いつまで…と言われましても…」
「このままでいい訳ねぇだろ?」
「雅が一緒に来るときにも言いましたが、僕は彼女が一緒だとすごく助かります。白竜も、僕も、かく言う三蔵?あなただって心地いいんじゃぁありませんか?」
「良い訳ねぇだろ…」
「そうですか?最近の三蔵からは負の感じなんてあまり受けませんけど?」
「確かに――」

そう悟浄も賛同していた。しかし、何を思っているのか、三蔵は俯いたままだった。そんな相手に八戒は少し笑いながらも珍しく頬杖を付きながらも話し始めた。

「もしかして三蔵…?怖いんですか?」
「は?何言ってやがる」
「雅の事…傷付けそうで」

そんな八戒の言葉を聞いてフンッと口角を上げた。
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