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【最遊記】金色の向日葵

第6章 勝負


1つ舌打ちをした次の瞬間にドサリと三蔵も机に臥せってしまう。

「おやまぁ…すみません、どうやら不本意かも知れませんが僕との一騎打ち『ガタンッッ』…って…」

八戒の言葉半ばに大男もその場から倒れ込んだ。

「おや?……えーっと…」
「優勝がきまるのか?目の前の1本を開けて次のを一口でも飲めたら大逆転だ!!」
「えーっと…」

そう言いながらも八戒は目の前の瓶を開け、次の酒に手を掛ける。コップに注ぎ、一口飲んだところで大歓声が上がる。

「優勝は八戒さんだぁ!!!」

おやおや…と言いながらも優勝賞金を受け取っていた。

「す…ごい……」
「な!すごいだろ?八戒!!」

『そう言うあなたもね…』
そう言いたかった言葉を雅はくっと飲み込んだ。それでも嬉しそうに話していた八戒。よく見ると何やら手招きしていた。

「ねぇ、悟空?」
「なに?」
「何か…八戒呼んでる?」
「なんだろう…」

そう話しながらもステージに上る2人に八戒はすこし困ったような顔をしていた。

「この2人…運ぶの手伝ってください?」
「おぅ!!そうだな!」
「あの…じゃぁ私は…」
「それじゃぁ、僕と悟空の賞金と白竜をお願いします」
「キュキューー!!」

白竜も嬉しそうに雅の肩に乗ってくる。

「良かったね…白竜?」
「キュキュッッ!!」

そう言いながらも擦り寄る白竜に笑いかけながらも宿に戻って行った。

「それじゃぁ…雅?三蔵の事頼んでもいいですか?」
「うん、大丈夫…だと思う…」
「何か心配事、ですか?」
「三蔵って…2日酔いの時って…どうしてますか?」
「ん―――、放置、か?」
「そうですねぇ…ワーワー騒ぐとブ千切れるくらいですかね…」
「それじゃぁ、いつもと同じ…」
「そういう事です」

ニコリと笑い、悟浄を抱えた悟空と一緒に3人は三蔵をベッドに寝かせてその場を後にしていった。
残った三蔵と雅はそっと柔らかい日差しの中の部屋で時間を過ごす…

「三蔵…ごめんね……」

そう言いながらもフッと右手で前髪に触れた時…ぽぉぅ…っと温かな光が包みこむ。

「あ……」
「ン……?」

ふと気付いた三蔵。その顔に酒が残っている様子も伺えなかった。
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