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【最遊記】金色の向日葵

第6章 勝負


「優勝は、悟空さんです!!!」
「え…俺まだ食いたい…」

そう言いながらも大きく膨れた胃袋を持ってまだ食べきれていないぶたまんを両手に持ちながらも賞金を受け取っていた。

「……みへみへ!!おえ、ゆうひょうやっへ!!」
「食ってから離せ。馬鹿サル」
「……ンク。サルっていうな!!」
「さぁて、じゃぁ次は僕たちの番ですね」
「さ、それじゃぁいっちょ、飲んできますか…」

そう言いステージが大酒のみ用の仕様に変わった所で上がって行く。

「悟空?お疲れ様!!」
「おぅ!俺約束守ったからな」
「ん!……私…何もしてないのに…」
「大丈夫だって!ぜってーこっちも勝てるからさ!」

にこりと笑いかけた悟空の顔を見て雅は少し安心したように小さく頷いた。

「それじゃぁ、お待たせいたしました!!大飲み大会!スタートいたします!!」

そうアナウンスも入り酒が注がれていく。少しした頃、周りでパタリ、パタリと脱落者が出始めた頃だ。三蔵の手が止まった。

「おんやぁ?美人な三蔵様の手が止まって…口ほどにも無かったってか?」

にやにやと笑う大男に苛立ったのか、三蔵は懐からカードを出した。

「おい、店主」
「はい?」
「この店で1番高い酒持って来い。まずい酒じゃ思い通りに飲めやしねぇ」
「しかし…」
「俺もちだ…文句はねぇだろ」
「俺もちって……そりゃ三仏神のだろうが…」

ぽつりと呟く悟浄には気にも留めずに交渉をしていた。少し話をして交渉成立と言わんばかりに酒が変わる。

「う…めぇ、この酒」
「フン……」
「おいしいですねぇ…」
「ワリィなぁ、こんなうまい酒までふるまって貰って…」

そうにやりと笑いながらも大男はかっぱかっぱと水の様に飲んでいく。

ドサリ…

横で何かが倒れる音がした。そう、悟浄がつぶれたのだ。ほぼ同時に相手の1人も倒れだす。

「おやおや…」
「やせ我慢はよくねぇなぁ…美人のお坊さんよぉ…ヒック」
「……いい加減にしやがれ…」

そう言うと平静を装っていた三蔵の双肩からふわりと魔天経文が浮き上がる。それを見て八戒が口元を抑える。

「ダメです!!三蔵!!素人の人間相手にそんな大技ぶちかまさないでください?!?!」
「……チッ」

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