• テキストサイズ

【最遊記】金色の向日葵

第5章 トラブル


「それは…」
「違うんだよ!三蔵!」
「何が違うんだ。」
「雅は景品って言うか、だからやるとかやらないとかじゃないんだよ!」
「あ…ちゃぁー。」

悟空の勢いに任せたその言葉を聞いたとき、悟浄は頭を抱え、雅はキュッと唇を噛みしめた。きょとんとする八戒と眉間に皺を寄せる三蔵。

「どう言うことだ。」
「ごめんなさい!」
「んな事なんざ聞いてねぇよ。どう言うことだって聞いてんだ。答えろ。」
「さ…三蔵。」
「うるせぇ、てめぇは黙ってろ。」

名前を呼び止めようとする悟空の言葉を遮りながらも、三蔵の目は一心に雅だけを見つめていた。その様子を見て八戒はもちろん、悟浄や悟空までも息を飲む。

「それは…」
「…それじゃぁ、僕らは部屋に戻りますよ。悟浄、悟空。」 
「え、…でも。雅置いていくのか!?」
「三蔵が居るじゃないですか。」
「八戒。どういうつもりだ。」
「どうもこうも、現状を知っているのが2人も居るなら僕はそこから話は聞けますし?2人居ると口出しちゃうでしょ。そうしたら雅からの話も途切れると思って。」

(や…八戒?待って!?)

雅の心の声など当然聞こえるわけもなく、悟浄と悟空は八戒に連れられて三蔵達の部屋を後にした。同じ階の部屋に戻ると、悟空は少ししょぼっとしたまま、そして、悟浄は八戒に声をかけた。

「あのまま雅を三蔵と一緒にしていいのか?」
「さすがに三蔵も撃ち殺したりなんてしないでしょう?それに雅が話しやすい環境を作ったまでです。」
「あの鬼と2人きりで話しやすいか?!」
「……あぁーー。…でもまぁ、こちらはこちらで話を聞かせてください?どう言うことですか?」

そう八戒も2人に問いかけた。その問いに答え始めたのは悟浄だった。

「………ーーーって事。大まかな理由は最初に雅が話したろ。」
「まぁ、そうですね。それが理由だとすると三蔵がとう出るか…って所でしょうか。」
「…でも、雅も謝ったんだよ?何より最初に。それなのに!あいつが腹いてぇとか、服が汚れたとか因縁つけたんだぜ!」
「悟空、解りましたから。」
「雅は…あいつは謝ったんだよ。ごめんって…」

そう言い膝を抱える悟空を八戒と悟浄は見つめるしかなかった。
/ 122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp