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【最遊記】金色の向日葵

第5章 トラブル


宿に戻り、転寝している八戒を起こして、三蔵の部屋にむかった。

「さーんーぞーうー!!!」
「うるせぇ、静かにしろ」
「まぁまぁ、そう言わずに!いい話持ってきたから」
「…良い話、だと?」

瞬間的に顔が変わった三蔵。ベッドの上にポンッと飛び乗り、胡坐をかきながらいる悟空もにこにこしながら楽しそうにしていた。

「明日、タダで酒飲めるって!!!」
「あの、悟空?どういう事ですか?」
「んー、うまくいえねぇけどさ?明日、大食い大会と酒飲み大会があって、優勝すると賞金ゲットらしいんだよ!!」
「……ほう。」

珍しく三蔵も乗り気になっていた。八戒がそう言う悟空に続けて問いかけた。

「それで?悟空は大食い大会で、僕と三蔵と悟浄はお酒で、ダブルで賞金を貰おうという算段ですか?」
「んーー、そうだな!!そういう事!!!」

しかし、一緒に居る雅の様子を三蔵が見逃すはずもなかった。

「おい…雅」
「はい?」
「……なにか言いたそうだな」
「えと…」
「雅は参加できないから白竜と応援な!!」
「そうそう!」

悟浄が咄嗟に助け船を出す。しかし、三蔵の目はそんな悟浄の言葉を無視するかのように雅に注がれていた。

「何を隠してやがる…」
「…あの…」
「てめぇの顔みてりゃ、ただの挑戦の話じゃねぇ事位馬鹿でも見抜けんだよ。さっさと吐いちまえ」
「……ごめんなさい…」
「あ?」

少し震える手をキュッと握りしめながらも雅は俯いたまま昼間から夕暮れにかけて起こったことを話し出した。

「実は…初めは私の不注意だったんです。ぼーっとしてて大男にぶつかって…そこで私をかばった悟空とその人が喧嘩になって…その後に居酒屋さんに行ったの。そしたらその大男たちとまた出くわして……昼間の借りって言ってきた時に聞いたのがそこのマスターのお話で、明日のその2つの大会の事聞いたの…」
「…ハァ、つまりは全て貴様のまいた種だという事か?」
「……ッッ・・ごめんなさい」
「チ…」
「まぁまぁ、三蔵?タダでお酒が飲めるし、悟空もタダでお腹膨れて静かになるんですよ?」
「……確かにそうかも知れん…だが、てめぇは何もしないのか?」

そう聞く三蔵の言葉に雅は答えが返せないでいた。
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