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【最遊記】金色の向日葵

第5章 トラブル


「安心しろ。悟浄と違って、女にそう易々とては出さねぇよ。」
「それは安心しました。明日になったら『もう一緒に行けません』なんて言われたら困ると思っていたので…」
「…フ」

そういって八戒は、よいしょと腰を上げて上から三蔵を見下ろした。

「三蔵?」
「まだ何かあるのか」
「…・・・いえ。やっぱりいいです」
「歯切れわりぃな…」
「すみません。」

そういってにこりと笑うとそのまま八戒はゆっくりと部屋を後にした。自分の居る部屋に戻ると、中に射るはずの悟浄もおらず、白竜がしっかりと出迎えてくれた。

「おや白竜。悟浄も出掛けちゃいましたか…」
「キュキュッッ!!!」
「それじゃぁ僕らはゆっくりと休ませてもらいましょうかね」

そういって八戒はゆっくりとソファに腰を下ろした。

「ねぇ白竜?三蔵……どうしたんでしょうかねぇ…」
「キュ?」
「でも、白竜は雅の事大好きですもんね」
「キュキュー!!」
「ハハ、僕もですよ」

そういって優しく指の腹で白竜の頭を撫でていた。心地よさそうに八戒の膝で眠る白竜。いつの間にか八戒もまた、優しい光が差し込む部屋でうとうととしていたのだった。


――――戻って悟空たち…

一頻り食べ終わった後、『お土産を見て行こう!!』と誘われた雅。

「お土産…かぁ。行く先々で何か買ってるの?」
「いや?特にそんなに買ってない!!」
「え、じゃぁ何で?」
「んー、なんか、意外と露店とかって旨い物とか、名産的な物ってすごく多いんだぜ?それを持ち帰っておいしいの見付けた!って言うの!」
「それって買って行って悟空も食べたいからってのもある?」
「もちろん!!旨いの見つけたらみんなで食う!!」

ご飯の事になると本当に悟空は目をキラキラとさせる。それでいて隠す事なく自分の心を素直にさらけ出す……

「悟空が羨ましい…」

そう雅は自然と呟いていた。

「雅?何か言った?」
「え?あ…なんでもないよ?行こっか!」

そうして1歩進み出た時だ。

ドンッッ!!!!

雅の目の前に巨漢の大男が現れた。その男と奇しくもぶつかり後ろによろめいた雅。

「大丈夫か?!雅!!」
「あ、うん。ごめんなさい、ぼうっとしてて…」
「おいおいおい!!姉ちゃん!!俺の服汚れちまったじゃねぇか!」
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