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【最遊記】金色の向日葵

第5章 トラブル


それぞれ部屋に着いた時だ。雅は扉のすぐそばで立ち止まっていた。

「あの…三蔵?」
「なんだ」
「私、迷惑?」
「今更何言ってんだ」
「だって…」
「部屋の事なら気にするな。問題ない。ましてや俺が雅を抱くなんて事もないから安心しろ。悟浄じゃあるまいし…」
「え…あ……だ……抱くって…!!!」
「うるせぇ。それよりどこかに出かけるんじゃなかったか?」
「……お部屋2つしかないならどこかに探しに行こうかなって思って…」
「そんな事しなくてもいい。」
「じゃぁ、お布団借りてくる。」
「……勝手にしろ」

そう言われて雅はフロントに降りて行った。布団を1組貸してほしいと申し出ると、後でお部屋に届けますと言ってくれた。その時だった。八戒がちょうど降りてきていた。

「あ、雅、どうかしたんですか?」
「お布団を1組貸してもらおうかと思って…」
「やっぱりそうなりましたか。」
「え?」
「三蔵がベッドでしょう?」
「いいんですよ。三蔵には疲れ取って貰わないと…」
「クスクス」
「何かおかしいですか?」
「本当に雅は不思議な人ですね」
「え?」
「こんなに簡単に三蔵の懐に入り込んだ人、悟空以来ですよ」
「えっと…それって良い事?」
「良い事というよりも貴重な存在、ですね。」

そう言いながらもラウンジで話はじめた2人。

「悟空は昨日も言ってましたが、異端児なんです。ある意味悟空が悟空でいられるのは三蔵が居るから。三蔵なしでは悟空は生きていられない。……というよりも、周りの僕らが死んでしまいます。」
「……ッッ」
「悟空が頭に着けてる禁錮。あれを外すと元に戻すには三蔵しか適いません。それでも瀕死の状態に陥ります。なんだかんだ言って三蔵は悟空が可愛いんですよね。」

クスクスと思い出し笑いを繰り返しながらも八戒は続けた。

「純粋すぎるが故に悟空は他人を疑う事をしないんです。だからたまに道がそれる。その度に三蔵が立て直してるんです。」
「そっか…お父さんみたいな存在だね…」
「いえ、どちらかと言えばしつけに五月蠅いお母さんではないでしょうか」

そう話していた。
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