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【最遊記】金色の向日葵

第3章 知られた能力


雅は言われた通りに中に入り、鍵をかう。窓から見える情景は今まで見た事も無い物だった。

「……妖怪…三蔵一行が妖怪を連れてくる…?そんな事…」

そう思いながらも見続けてしまっている雅。確かに怖かった。それでも目が離せなかった。ケガを負っているのか、それとも妖怪の返り血なのか…訳も解らないまま血は飛び交っていた。


それでも数分として片付いた。町の中は騒然として居る。

騒ぐ者も居なければ、出てくるものも居なかった。


雅は鍵を開けて外に出る。

「あの…皆さん…大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ、心配なさらないで?」
「でも…腹減ったー」
「人の睡眠邪魔しやがって…」
「……八戒」
「はい?」
「……今すぐ出るぞ」
「あの!!!」

『今すぐ出る』と言った三蔵の言葉をかき消すように雅は声をかけた。

「今日はもう遅いですし…明日の朝にしたらどうですか?」
「うるさい」
「お願いします」
「……三蔵?」
「そうは言っても…ッッ」

ふと三蔵の左腕を見ると妖怪にやられたのか…10cm程の切られた傷があった…

「三蔵さん…それ」
「関係ない」
「見せてください」
「うるせぇ、放っておけ」
「放っておけません」

そう言うと怖かった気持ち等どこかへ行ってしまったかのように雅は三蔵に近づいた。

「おい!何をする!」
「動かないで…」

そう言言いながらも傷ついた三蔵の左腕を持ち、右手をそっとかざした。するとぽぉぅ…と桜色の光が現れる。

「……これは…」
「……もう大丈夫です」

言葉を失いながらも三蔵は自身の左腕を見る。悟浄や悟空もまた三蔵の二の腕に触れていた。

「雅さん、あなたヒールの持ち主ですか?」
「……はい、この町では隠していたんですが…随分昔に使った事がきっかけで今の状態です。」
「すっげーじゃん!!」
「……夜中ですし、みなさん疲れたでしょうから休んでいってください。」

そういう雅の説得に三蔵も折れたのか、家の中に入って行った。

再度血を洗い流してベッドに入りすぐに4人は眠りに就いて行った。
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