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【最遊記】金色の向日葵

第17章 意地悪な唇


翌朝、いつもは案外早起きな雅だったが、この日の朝にはそれほど早くは起きる事が出来なかった。気付けばジープは動きだし、次の目的地に向かっている最中だった。

「…ン……」
「おはよう、起きられましたか?」
「え…っと…今何時?」
「んーどうでしょうか…」

そう答えた八戒はニコニコとしていた。雅自身は何故か悟浄の肩に凭れて眠っていた。

「お…起きたか…」
「やっと起きたぁ…!!悟浄にばっかずりぃんだから!!」
「…えと、何が?」
「雅、ずぅぅぅっと悟浄に凭れて寝てんだぜ?ずりぃだろ!!」
「うるさい…」
「あ…ごめんね?重かったでしょ?」
「いんや?俺は大丈夫なんだけど、雅より三蔵の圧のが痛かったっていうか…」
「黙れ…」
「ほぉんと、!!三蔵ならいいんだけど、悟浄ってのが俺的には許せなかったなぁ!!」
「黙れって言ってんだろうが…!!」
「……三蔵…何か不機嫌?」
「いや…だから…多分ずっと雅が俺に凭れて寝てたから…かなって」
「そっか…」
「おい八戒…」
「なんでしょう?」
「次の町まであとどれくらいだ。」
「急ですねぇ…何もなければ、今日の夕方には着くと思いますが?」
「そうか…」

三蔵が八戒に聞いている間にも、後部座席の3人は何かと話をしていた。

「だから、河童よりは俺のが高さ的にもちょうどいいんだって!!」
「でも猿の肩には固い鎧が付いてんだろうが」
「でも…だったらひざまくらとかあんだろ?!」
「あ――、それ三蔵の地雷なやつな?」
「お前らは少し静に出来んのか!!」

スパパパ―――ンッッ!!!

気持ちいい位に三蔵のハリセンが悟空と悟浄、そして雅の頭にも直撃してくる。

「ちょっ!!私黙ってたよ?!」
「同罪だ」
「なにそれ!!ひっどぉい!!一応これでも女の子なんですけど?」
「ほぅ?女の『子』か。だったら子供なりにしつけが必要か?」

カチャッ

そう言うと身を翻し、後部座席に体を向けると、三蔵は昇霊銃を雅に向けた。

「別に?……い――っだ!!」
「まぁまぁ、いい加減にしないとこの辺で振り落としますよ?」

その八戒の言葉を聞いて三蔵は舌打ちをすると正面を向いて座りなおした。
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