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【最遊記】金色の向日葵

第16章 敵との遭遇


「そうだったんですね?」
「ん…でも、心配かけちゃってごめんなさい」
「そんな事はどうでもいいんだよ」

仁王立ちしている三蔵に雅はしゅんとしていた。

「全く…」
「三蔵?雅はケガして…」
「だからなんだ」
「おいおい!三蔵?!」

眉間に皺を寄せながらも三蔵は八戒と雅の元に近寄った。

「あの…迷惑かけて…ごめッ」

話の途中で気付けば八戒の腕からも引き剥がされて雅は三蔵の腕の中に居た。

「遅くなるのは致し方ねぇ。だけど勝手に他の男に抱かれてんな」
「抱かれてって!!」
「抱かれてんだろうが…」
「抱かれてないよ?歩くのが億劫だからとか、崖の上まで運んでくれるのに抱き上げてくれてただけで…」
「うるせぇよ。黙って頷いておきゃいいんだよ。」
「……そうは言っても…ンッッ」

そういう雅の唇をそのまま噛みつく様に三蔵は自身のそれで塞いだ。八戒はくるりと背を向け、悟空の両目を悟浄は手で覆い、悟浄自身も顔を背けた。

「ン…ッ」
「ッフゥ…」

腰は抱かれ、後頭部を固定されて離れようとしても離れられない状態のまま、頭の芯がぼぉっとしてくるのが解った。ゆっくりと唇を離す三蔵。

「ッッ…なんで…皆見てるのに…」
「だからなんだ。勝手にあいつに抱かれて返ってくる雅が悪い。」
「悪気があったわけじゃないし…」
「そんなの当然だろうが…」

ふわりと抱き上げた三蔵は白竜にジープになる様伝えると後部座席に降ろした。

「足は…?」
「え?」
「足は痛むのか?」
「もう大丈夫…八戒と紅孩児さんのお陰で…」
「……」

雅の口から紅孩児の名前が出るたびに苛立ちを隠せずにいた三蔵だった。それでも、袖が破れていた事と、雅の足首にまかれた布が見慣れないものという事から、三蔵も容易にその布が紅孩児の服の端キレである事が解った。

「…もう2度と、他の男の腕に抱かれてやるな」
「え?」
「……」
「三蔵?」
「しらん」
「もう1回言って?」
「断る。」

そんなやり取りを聞いていた他の3人はジープに近付く。

「心配性だなぁ…三蔵サマ!」
「いいなぁ…俺も雅とちゅぅしたい…」
「悟空?三蔵に殺されますよ?」
「妬いてんだぁ、三蔵!」
「お前ら…殺すぞ…」

そんな話を交わしていた。
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