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【最遊記】金色の向日葵

第3章 知られた能力


「ただぁいまぁ。」
「…へぇっくし!!」

帰宅と同時に悟空は大きなくしゃみをする。その声で雅と八戒は入り口に走りよってきた。

「おかえりなさい!…ってどぉしたの?」
「悟空、どうしたんですか、そんなずぶ濡れで。」
「川に落ちた!」
「はっ?」
「ちゃんと説明しろ、バカザル」

そういうと悟浄は頭をガシガシと鷲掴みにしていた。

「川で溺れてたガキ助けんのにこいつが川に入ったってこと。」
「それ言ったらダセェだろ!?かっこよくねぇじゃん!」
「だけど、ただでさえ歓迎されてねぇ中で大人達にも見られてんだ。それで俺等が居候してる雅にも迷惑かかるかも知れねぇなら話しといた方がいいだろうが、ばか。」
「そんな…あ、待って!」

そういうと雅はタオルを取りにその場を離れた。しゅん…としている悟空の目の前にふわふわに洗い上がっているタオルが差し出される。

「これ使って?それとシャワー…浴びてきて?」
「そうするー。」

そうして拭きながらも悟空は浴室に向かっていった。サーッと心地よい音と共に悟空の冷えた体は暖められていく。買ってきて貰った食材を片付けていたときだ。一組の親子が中を覗いていた。八戒がその親子に近付くと母親は1歩、2歩と後ろに下がる。

「あの、どうされましたか?ここの方にご用でしょうか。」
「…その…ッッ」

そのときだ。子供は悟浄をみて満面の笑みに変わった。

「赤髪の兄ちゃんだ!」
「本当にそうなのかい?」
「あっれーぇ。お前さっきの。友達は?家に帰ったのか?」

しゃがんで子供の目線に合わせた悟浄はその男の子の頭をわしゃっと撫でた。
そう、その子はさっき悟空が助けた子供の傍で泣きじゃくっていた子だった。

「危ないところ、本当に悪かったね。」
「いやぁ、助けたのは俺じゃねぇし?俺はこいつが中に入らないようにしてただけ。…だろ?」
「でも、赤髪の兄ちゃんがあいつ助けたんだよ!母ちゃん!」
「…本来ならこの子でなく、助けてくれた子の方が来なくちゃならないんだけど、ほら。…相手さんが嫌がっちゃって。でも、この子がどうしてももう1回会ってお礼言いたいって言うもんだから。」

しどろもどろになりながらも話を続ける母親。
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