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【最遊記】金色の向日葵

第3章 知られた能力


肉を買い求め、袋を持った2人は帰り道に歩きながら話していた。

「なぁ悟浄?」
「んぁ?」
「雅って…いっつもこんな感じの生活なのかな…」
「さぁ。わかんねぇけど、そうなのかもな」
「すっげー淋しいよな…」
「まぁ、居るのにいないものとして扱われてんのと一緒だからな」
「……なんでそんなに三蔵の事、嫌うのかな…」
「悟空?」
「三蔵、確かに銃ぶっ放すし、直ぐ殴るし…だけどめちゃくちゃあったかいじゃん。優しくねぇけど、優しいじゃん?それ知らないのって…何かすげぇ悔しいじゃん」
「でも、それは安売りするもんじゃねぇだろ?俺らが知ってればいいだけの事だろう」
「…悟浄」
「そりゃ俺様だし、マジ苛立つ事しか言わねぇけど…それでも何でか三蔵には着いて行こうと思うんだよなぁ…」

そうしみじみと話していた。
そんな時だ。子供の泣きわめく声を聴いて2人は走り出した。

「どうしたんだよ!」
「ウギャァァ!!」
「泣いてんなって!どうした?」

そう2人が聞くと、その子どもは目の前を流れる川を指さした。そこには足を取られたのだろう、もう1人の子供がバシャバシャと溺れていた。

「くっそ…」
「悟浄これ頼む!!!」

そう言うが早いか悟空はそのまま川に飛び込んだ。

「あんの…クソざる!!」

そういいながらも悟空の投げ渡した袋を拾っていた。そのまま行く末を見ていると子供を抱きかかえ悟空は川岸にむかって来ていた。その騒ぎを聞きつけた大人もようやくやってくる。

「大丈夫かい?!」
「…ハァハァ、あのお兄ちゃんが…」
「悟空!貸せ!」

そう言うと上がったばっかの悟空から子供を受け取ると悟浄は水を吐かせる。

「これでもう大丈夫だ…」
「お兄ちゃん!ありがとう!!!」

泣きじゃくっていた子供も悟浄に巻き付き、気付いた子供は悟空の腕に縋りついていた。大人たちは目を丸くしながらも顔を見合わせている。そんな空気を察したのか、悟浄は悟空に合図して子供たちに声をかけると、その場を離れる事にした。

「全く…どうかしてるぜ。」
「でも、あの子、助かってよかったな!」
「まぁ、それが1番だろうな」

そうして、ずぶ濡れの悟空と荷物を全て持った悟浄は雅の家に戻って来た。
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