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【最遊記】金色の向日葵

第15章 ★ 熱き忠告


雑貨屋を出た2人は宿に戻ろうとしていた。不意に八戒は雅に話しかける。

「なんか今日はやけに夫婦に間違えられますね…」
「そうだね…何か…間違われる相手が私でごめんね?」
「何言ってるんですか?」
「だって…良く三蔵に五月蠅いって言われるくらい悟空みたいに騒がしいし、髪だって切っちゃったから女の子らしいとこあるかなって位だし。」
「十分雅は可愛いと思いますよ?……すみません、可愛いというより、素敵のが似合ってますね」
「すてき…?」
「えぇ、笑顔は可愛らしくて、考えや行動力は1本筋が通り、三蔵に歯向かって行ける。すてきだと思いますよ?」
「それって…素敵なのかな…」
「すてきっていうのは変えれば魅力的という使い方もありますね。悟浄みたいに偏った『魅力的』の使い方をする人も居ますが」

確かに…と雅の顔に笑みが零れてきた。

「そろそろ宿に戻りましょうか。」
「うん。」
「雅の髪も直さなくてはいけませんし」
「ありがとう」

そう話しながらも八戒と雅はゆっくりとした歩調で宿にむかっていった。宿に帰ると大部屋に三蔵も戻ってきている中、食材の整理を始めた。粗方は悟浄に任せながらも、八戒は雅を椅子に座らせて髪を梳く。

「本当に思いっきり行きましたね…」
「……あの時は無我夢中で…」
「そうかも知れませんが…」

笑いながらもどう切って行こうか迷って居た。鋏を持ち、ガタガタになっている後毛をそろえていく八戒。

「相変わらず八戒器用だよなぁ。なぁ!俺にも切らせて?!」
「やぁめとけ、サル。雅が可哀想な事になる」
「なんだよ!悟浄!!」
「それよりこっち手伝え!」
「むぅ!」

そう少し膨れながらも、悟空は悟浄の元に向かって片付けや整理を手伝っていた。少しして八戒は『出来ましたよ?』と言ってケープを取ると首元の残り毛を払った。

「おーー!!可愛い!」
「多少後は残せそうなら残しましたが、あえてのボブです」
「ぼぶ??」
「そう言う髪型の事です。幸い横はそれほどでもなかったので…ただ若干短めなんですけどね?」

そう満足げに八戒は話していた。
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