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【最遊記】金色の向日葵

第15章 ★ 熱き忠告


そうして、またも三蔵無きまま朝食に向かった。それでも、一旦部屋に戻り雅は三蔵に声をかける。

「三蔵?」
「……ッッ」
「三蔵?ご飯行ってくるけど…」
「…ン」

ぐいっと引き寄せられた雅の体はボスッと三蔵の腕の中に収められた。

「ちょっと…三蔵も行く?」

少しの間があって腕を解放し、かなり不機嫌そうに目を覚ました。

「おはよ、三蔵。」
「……ハァ」
「ご飯、行ってくるね?」
「……解った。すぐに行く」

その返事を聞いて雅は笑いかけると再度部屋を後にした。

「三蔵は?」
「今起きたから、じきにくるって」
「そうかぁ。寝起き悪りぃだろ…」
「そりゃ!」

クスクス笑いながらも4人は先に食堂に向かった。ここの宿には外に出なくとも、宿の中で食事が出来るスペースがあったのだ。

「おいしそうですねぇ…」
「そうだな!!」
「本当だぁ。いっぱいある…」

そうして話しながら朝食を摂って行く。そんな中、三蔵がやってきた。空いている席に着き適当に並んでいる者を食べる三蔵に八戒は声をかけた。

「あまり眠れませんでした?」
「いや…そんな事は無い。」
「そうですか?それならいいんですが」
「…何だ?」
「いえ?これと言って。あ、そうだ。後で食事終わったら僕、雅と一緒に買いだしに行ってきますね」
「あぁ。解った」
「俺も行く――!」
「てめぇは待ってろ」
「何でだよ!」
「また余計な物買っちゃいそうですからね…」
「むぅぅぅ!!」
「悟浄も、お留守番で」
「へぇへぇ。解りましたよ」

そういって笑いながらも朝食の時間を楽しんでいた。何が必要かを書き出しながらも色々と計画を立てていく八戒。そうこうしながらも食事を済ませた2人は先に食堂を後にして買い物へと向かうべく、身支度を整える。

「よしっと…それじゃぁ、行きますか?雅。」
「うん。行こっか!!」

そうして久し振りに楽しそうに買い物へと出かけて行った。その道中に雅は昨日三蔵に言われた事を思い出して八戒に尋ねていた。

「ねぇ八戒?」
「はい?」
「あの…お願いがあるんだけど…」
「なんでしょう?」
「私無造作に切っちゃったこの髪……切りなおしてくれる?」
「僕が、ですか?」

そう言いながらも驚いていた。
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