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【最遊記】金色の向日葵

第15章 ★ 熱き忠告


翌朝、目が覚めた雅。目の前にある三蔵の寝顔を見て少し照れくさそうに居た。

「…おはよ…」

小さく囁く様に雅は三蔵に挨拶をする。そのまま長い睫毛を見つめ、そっと唇をなぞる。

「…ン」

ふとと息を漏らした三蔵に慌ててふいっと手を避けた雅。昨夜のキスが蘇る…

「ほんとに…三蔵と……」

思い出しただけで顔は熱くなり目の前の無防備な唇に自身からキスをしたくなる雅が居た。
妖怪が近付けば一気に起きるのに、雅が見つめていても起きる気配がない三蔵に雅は嬉しく思って居た。

時計を見ると7時を指そうとしている。

ゆっくりと三蔵を起こさない様にベッドから起き出ると、身支度を済ませてメモを書置きし、部屋を出る。本来皆で眠るはずだった大部屋に向かうと中から話し声が聞えていた。

コンコン……

緊張のあまりに五月蠅いほどの鼓動を抑えながらも震える手でドアをノックする雅。直に戸が開くとそこに居たのは八戒だった。

「雅…良かった…」
「あの…皆…居る?」
「えぇ、居ますよ?」

そう言うと中に促された。一気に悟空と悟浄の視線が突き刺さる様に自身に向くのが解った。

「あの…昨日は…ごめんなさ『おはよ!雅!!』……悟空」
「おはようさん!」
「…悟浄…」
「なぁなぁ!朝飯どこに行く?」
「あの…ッッ!!!」

雅は会話を止めて、ゆっくりと話出した。

「昨日は…勝手に飛び出してごめんなさい…」
「いいって事!!な!」
「あぁ。このサルなんて何回飛び出しては泣きながら帰ってくるか…」
「サルっていうな!!」
「とにかく!雅が無事でよかったんだからさ!!」
「そうですね」
「本当に…ごめんなさい…」
「もうやめようぜ?」
「そうだよ!!雅は早くに帰って来たのに返さなかったのは三蔵のせいだろ?雅は昨日のうちにここに戻ってたんだから!」

そう言う悟空の言葉に、雅は一気に真っ赤になっていた。

「……それはさておき…三蔵は?」
「まだ…寝てる」
「クス…なら話は早い。」
「え?」
「朝飯行くか。4人で」
「飯―――!!!!」
「サルもうるせぇし」

笑いながらもポンッと頭を撫でる悟浄の笑みに雅は俯いた。
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