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【最遊記】金色の向日葵

第14章 涙の痕


「悟浄?」
「じゃぁ、サルが探しに行ったときにはすでにここに居たって訳か…」
「そうなりますね。ただ、どこの部屋にいるかまでは教えてくれませんでしたが…」
「一体何をしてるやら…」
「きっと三蔵の事だから…」
「……でも俺としては…あぁんな事やこぉんな事、しててほしいけど?」
「でもきっと雅が戸惑うでしょう」
「そうしたらあの三蔵は出来ねぇな」
「きっと…おそらくですが…」

そう話していた後に今度は悟浄が腰を上げた。

「悟浄?」
「あのサル迎えに行ってくる」
「大丈夫ですか?」
「何とかなるだろ」

そういって手をひらひらとさせながら、八戒を残して悟浄は部屋を後にする。

「困りましたねぇ…白竜?」
「キュキュ…」
「まさかこんな小さな中で三角関係とは…ハハ」

そういって窓の外を眺めていた。
悟空を探しに出て悟浄は捜し歩いた。そろそろ辺りも暗くなり始めている。

「…ッ、居た」

そうして悟空を捕まえた悟浄。手にはたくさんのぶたまんがあった。

「おま…っ!!探しに行ったんじゃねぇのかよ!」
「探したよ!…探したんだけど…見つからなくて…帰った時にきっと腹減ってるだろうから…すぐに何か食べれる様にって…」
「……ッッ」

その悟空の顔を見た時に悟浄は何と言っていいか考え出した。しかし、ありのままを伝える他無く、頭にポンッと手を置きながらも話し出す。

「三蔵と雅なら、宿に帰ってる」
「え…?!マジ?」
「あぁ。だから心配すん…って、おい!!最後まで人の話聞けって!!」

走り出した悟空を追い、急いで捕まえた悟浄はぐいっと引っ張った。

「まて!サル!」
「なんだよ!離せよ!」
「今行っても2人に会えねぇよ!」
「……どういう事?」

ピタリと足は止まる。そのまま持っていたぶたまんを抱えた悟空は悟浄を見上げた。

「宿には居るけど、部屋にはいねぇ」
「意味わかんねぇよ!」
「だからぁ、…なんつったら」
「いい!八戒に聞く!」

そう言い放つと悟空はズンズンと宿に向かって歩いて行った。その後ろを頭を掻きながら悟浄は着いていく。宿に着くと真っ直ぐに八戒の居る部屋にむかった悟空。バンッと思い切り戸を開けた。
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