第11章 Tsumbergia
リオの目は薬物実験の副作用によって光を失った。
つまり、視神経そのものか眼球のみに影響が出ていると推察した。
今回、眼球のみに影響出ていると仮説を立てて診察をした
。
「診察の結果、視神経に特に異常はねぇ。眼球だけの問題なら取り換えれば見えるようになるかもしれねぇ」
「だが、肝心の代わりの眼球が無ければ…」
レイモンドの言葉に俺はペンギンに声を掛ける。
ペンギンはなるほどと呟き、持っていたケースを開けて俺に差し出す。
俺が中から取り出したのは能力で箱状の空間に入っている1つの眼球。
「先日俺達に闘いを挑んだ海賊がいたから命の代わりにいただいた。本来俺の能力の性質上、相手側に影響無いが今回は完全に切除してきたからそこは安心してくれ。さすがに両目は無理だったが…」
「サラッと怖い事言ってるなロー」
「だがリスクもある」
用意できている眼球は1つ。つまり見えたとしても片目しか見えない。
他人の目と交換しても見えないままの可能性。
能力上大丈夫と思うが他人のものを体内に入れる事によっておこる拒絶反応の可能性。
そして、今持っている他者の眼球はリオの金の瞳の色とは違う鮮やかな水色の為オッドアイになってしまう事
「決めるのはリオ自身だ。もし承諾してもらえるんならすぐにオペをする」
俺の言葉にリオはうーんと少し考えこむ。
コラさんは何も言わず、リオの言葉を待っている。