第11章 Tsumbergia
その人物に俺は目を疑った。
13年前に俺を庇って死んだと思っていたあの人。
「コラさん!!」
俺がコラさんの名前を呼ぶとコラさんは更に速度を上げて走って俺達の前で止まった。
腕に抱いてる彼女のおかげで転ばなかったようだ。
「ロー!!お前…!デカくなって…!!」
俺を見て目を潤ませながら…いやもう鼻水を垂らして泣いているコラさん。
「ロー君、元気そうでよかったわ」
「あ、あぁ…とりあえずコラさん泣き止んでくれないか?」
「ごめんね、この人ロー君の記事スクラップするぐらい気に掛けていたの。だから会えて嬉しいのよ」
正直引くぐらい泣きまくっているコラさんにそう言うが簡単に涙は止まらず、腕に抱かれている彼女がハンカチでコラさんの涙を拭いていた。
「ぐすっ…そういやロー、この島には何か用事か?」
ようやく落ち着いたコラさんが俺にそう尋ねた。
「あぁ。コラさん、俺は医者になったしあの日食わせてくれたオペオペの実も使いこなせるようになった。リオを俺に診せてくれないか。もしかしたら…目が見えるようになるかもしれねぇ」
俺達はコラさんとリオが住む家に移動していた。
途中でレイモンドに声を掛け、今家にいるのは俺達4人とコラさんとリオ、そしてレイモンドだ。
リオがお茶を淹れるとかでキッチンに行き、レイモンドもリオの付き添いでダイニングテーブルの椅子に座った俺達とコラさんしかリビングにはいない。
家に着いてすぐにコラさんがあそこから生き延びた経緯等を聞いた。
まさか海軍に助けられていて九死に一生を得ていたとは…
センゴクと話した時もコラさんは死んだと聞いていたが、あえて言わなかったな…。